テレビ寺子屋

原坂一郎さん
原坂一郎さんについて

会場/新居小学校(浜名郡新居町)

講師/育児・保育コンサルタント 原坂一郎

第1511回「子供たちに教えられたこと」

私は子供の時から子供が大好きで、その特性を活かす仕事はないかなあとずっと思っていました。

そうしたところ、大学在学中に男性も保育士資格が取得できることになったので、次の日からすぐに勉強を始めました。神戸市の保育所に勤めたのですが、当時としては男性保育士は珍しかったと思います。保育士として23年間勤めてきましたが、その経験の中で子供たちに教えられたことがたくさんあったんです。それをみなさんに伝えていきたいと思います。

私が長年子供たちを見てきた中で、一番感心したことは、子供たちは自分の周りのもの全てをありのままに受け止めて、決して文句を言わないということです。例えば、幼稚園や保育園では夏にプールに入りますが、そのプールがとても狭いのです。6畳とか8畳くらいのプールに20人から30人も入るのですが、「プール狭いねえ、何とかならないかしら」というのは、先生とかお母さんたちで、子供たちからは一度も文句を言われたことはありません。プールだけじゃなくて、園庭が狭いとか、保育室が暑いとか、子供たちは一切言いませんでした。

保育所の環境だけでなく、親や家に対しても同じです。子供たちは我慢しているのではなく、不満を感じないのです。備わっているもので充分、その中で楽しい部分や満足する部分を見つけて受け入れているのです。一方、大人たちは何かにつけては文句を言っています。

気をつけなければならないのは、親たちは子供のすることや態度だけでなく、ちょっとした言動にまで文句を言っていることが多いのです。寒い冬に子供と散歩していて、子供が「お母さん、寒いねぇ」と言っただけで、お母さんは「さっき上着着なさいと言ったのに、着ないからでしょ!」と叱ったりします。子供は寒いから寒いと感想を言っただけで、怒られることは何もしていません。そんな時は、子供の言う事を受け入れて、優しい言葉をかけてあげて下さい。「もうちょっとで家に着くから我慢しようね」、子供はそんな言葉を待っているのです。

☆講師紹介
1956年神戸市生まれ。関西大学卒業後、独学で保育士資格を取得。男性保育士の先駆けとして、神戸市の保育所に勤務。現在は、KANSAIこども研究所を設立し、子供や子育てに関する講演活動などを行っている。2男1女の父親でもある。

◆テレビ静岡11月25日放送◆