テレビ寺子屋

バイマーヤンジンさん
バイマーヤンジンさんについて

会場/大富中学校(焼津市)

講師/チベット声楽家 バイマーヤンジン

第1514回「子育ては国境を越えて」

チベットは、簡単に言えば中国の一番西で、ネパールとインドの北になります。

日本ではよくモンゴルに間違えられますが、全く違います。特徴といえば、世界の屋根と言われるヒマラヤ山脈がありまして、標高が非常に高いのです。富士山は3776メートルですが、チベットの平均の高さは4200メートル。酸素が薄くて、非常に寒くて、作物も育ちにくいところです。

今までは年間で150万人ほどがチベットの観光に訪れていましたが、2006年の夏に鉄道ができたおかげで、7月と8月だけで90万人も観光客がやってくるようになりました。これからはチベットにもいろいろな国のいろいろな文化が入ってきますので、チベットも大きな変化を迎えるのではないかと思います。

私は、日本人の夫と結婚して日本に来て12年になりますが、最近、子供を授かりました。とってもかわいい男の子なんですが、子育ては自分で産んで、体験してみないとわからない世界なんだなあと実感することばかりです。

出産のときには、チベットから私の母親と姉を呼びました。高齢のため、帝王切開での出産になりましたが、産まれるまでとにかく毎日が不安で不安でたまりませんでした。実は私の姉も弟の嫁も難産で、赤ちゃんが助からなかったんです。でも、産まれてきた子供の泣き声を聞いて、涙がいっぱい溢れてきました。

ところが、家に帰ると困ったことが起こりました。子供が朝から夜までずっと泣いているんです。母乳をあげても、おしめを替えても泣く。そのうち、いつ泣くかと緊張しすぎて、私自身が眠れなくなったり、食欲がなくなってきました。マタニティブルーのような状態になったのです。その時に、夫の母親に言われたのが、赤ちゃんは泣いているんじゃない、何かしゃべっているんだよ、ということ。しゃべっているんだと思うと、とっても気が楽になって、子育てのプレッシャーから少しずつ解放されるようになりました。

私はいまとっても幸せです。祖母から息子まで4世代の家族で暮らしているからです。平均寿命が短いチベットでは、こんなことはありません。夫の母や祖母が近くにいて、本当に良かったと思うことばかりです。

☆講師紹介
チベット・アムド地方出身。中国国立四川音楽大学卒業後、専任講師を務める傍らコンサートを実施。1994年結婚を機に来日し、各地で音楽活動や講演などを行っている。大阪在住。

◆テレビ静岡12月16日放送◆