テレビ寺子屋

東ちづるさん
東ちづるさんについて

会場/牧之原市榛原文化センター

講師/女優 東ちづる

第1516回「ボランティアって難しくない」

今日は、気がついたら結構長く続いちゃってるなぁボランティア活動、笑って泣いて珍道中なんですけど、お話しさせていただければと思います。

私の人生でボランティア活動をするなんて、全然思っていなかったんです。時間とか気持ちとか経済的にゆとりがあって、すごく立派な方がするものだと思っていたんです。きっかけはあるテレビの情報番組のドキュメントのコーナーで、私の出身地、因島が映ったんです。懐かしいなあと思って観ていたら、17歳の少年が登場しました。そして慢性骨髄性白血病だと告白したんです。ショックでした。私も17歳のときにあの島にいましたが、死とか病気とかと向き合ったことがありませんでした。彼や家族は、本当に淡々としていましたが、私はポロポロと涙が出てきました。

そのVTRの最後に骨髄移植という治療法があって、そのために骨髄バンクというものがあるという情報が流れて、そのコーナーは終わったんです。私は番組の司会者がなんと言ってまとめるか、観ていました。すると、その司会者は「この少年、頑張って欲しいですね」と言ったんです。でも、私はそのとき、もう頑張っている病気の少年に「頑張って下さい」というのは、ちょっと他人事のよう感じがしました。私だったら、この少年がなぜテレビに出演したのか、そのメッセージを伝えたいと思いました。そして、気が付くと、電話番号を調べて、彼の家に電話をし、また骨髄バンクにも資料請求してドナー登録をしました。

その後、その少年の妹さんから手紙をもらいました。そこには、いろいろと書いてありましたが、私にポスターを作って欲しい、とあったんです。そこで仲間に声をかけてポスターを作り、全国の患者会の人と一緒に、ポスターを貼ってくださいとお願いする活動が始まりました。

すると、いろいろなところで、東さんはボランティアをやっているんでしょ、と言われるようになったんです。最初は否定していました。私のお休みの使い方の一つとして、骨髄バンクのことをやる日もある、という感じでした。

ボランティアを英和辞典で調べてみると、「自発的な行為」とあります。欧米では特別なことではないんですね。そして、ボランティアは止めたくなったら止めてもいいんです。無理してまでやることはないんですね。私がボランティアをやっているのも、私がやりたいことが、たまたま仕事ではできないことだったから、このやり方をしているだけなんです。

☆講師紹介
広島県生まれ。会社員生活を経て芸能界へ。
ドラマやCM、エッセイ執筆、着物のデザインなど幅広く活躍中。
また、骨髄バンクやあしなが育英会、ドイツ平和村などのボランティア活動も続けている。

◆テレビ静岡1月6日放送◆