この題名を聞いて、笑いが出てくる気持ちというのはいったい何だろうかと、ずっと考えてきました。決して滑稽な題名ではないのですが、クスクス笑ってしまうのは、おそらく、みんなが心の中で思っていることを言い当てられてしまった、という笑いなのでは、と思います。あんまり本当のことを言われると、人間は思わず笑ってしまいますよね。
ということは、言い換えると、誰でも心の中では子供に迷惑をかけずに死にたいと思っている、そんな時代なんだろうと思います。日本は世界一、長寿の国となりました。みなさんの中にも自分の親が長生きをして介護をしてきたという経験があると思います。そういう人たちが、親の介護をしながら、自分は子供の世話にならずに死んでしまいたいなあと思っているのでは、そして、それを言い当てられて笑ってしまうのだと思います。
クスクスと笑い出す反応のつぎにあるのが、よくあそこまで書きましたねえ、というものでした。私はわりと正直に、母親のことを書いているのですが、例えば、母が立てなくなったときに、精神的にパニック状態になりました。出される食事に毒が入っているのではと、疑ったりするんです。母は明治生まれのしっかりとした女性だったと思ったのですが、そういう人でも、信じられないパニックになりました。
また、母は弟夫婦と一緒に住んでいたのですが、そういう状態になっても世間的な嫁姑問題というものもありました。
そういう姿を、できれば書きたくないと思いながらも書きました。そこまで書かないと介護の大変さはなかなか理解してもらえないし、きれいごとだけでは伝わりませんから。介護というのは人間関係の中で成り立つものだと思います。
この本の続編をできれば書きたいと考えています。自分のことはなかなかツライし書きにくいですから、今度は皆さんのところに取材に行こうかと思っています。
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