どうしてこんなに長い間飽きずに見ていただけるのか、出演者で考えたことがあります。出た結論は「飲み頃のお茶の味」、というものでした。熱くもなくぬるくもなく、濃くも薄くもなく、日頃さりげなく飲む一服のお茶が「サザエさん」という番組なのかもしれません。さしたることは起こりませんが、なんとなく見てしまう日本の家庭の姿。3世代が同居し、いまだに丸いちゃぶ台で食事をする。もしかしたらサザエさん一家というのは、日本の家庭が足踏みをして先に進まないでいる姿なのではないでしょうか。私たちはサザエさん一家をはるかに通り越した生き方をしています。でも、家庭の幸せの見つけ方まで、通り越してしまったのではないかという気がします。
みんなで言葉を大切しよう、そう言いながら録音を続けています。考えてみますと、私たちの言葉というのは一度出たら、もう元には戻りません。ですから、言葉というのはいつも相手に対するプレゼントです。褒める言葉も叱る言葉も励ます言葉も、みんなプレゼントです。でも、このプレゼント、なかなか思うようにはいきません。
お母さんが子どもを育てるときに一番多く使う言葉は何かご存知でしょうか。それは「早くしなさい」という言葉です。叱るように「早くしなさい」と言ってしまいますよね。でも、本当にいいお母さんはこんな風に言うそうです。「お母さんは早い方がいいんだけれども、何かお手伝いすることある?」こんな言葉で子どもを育てたいですよね。でも叱るように「早くしなさい」と言う方が気持ちと一致していますから楽なんです。
人間の目というのはビデオカメラ、耳は録音機です。ですから、自分が言ったことは自分が忘れていても相手の録音機にきちんと記録されています。ですから、言葉というのは大事にしないといけないんですね。
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