テレビ寺子屋

尾木直樹さん
尾木直樹さんについて

会場/浜松市立上島小学校(浜松市)

講師/教育評論家 尾木直樹

第1528回「いじめをしない心の教育」

今日は、心の教育ということで、「いじめ」をしない子育てってなんだろうということをお話ししたいと思います。

2006年から始まってきた「いじめ」というのは第三のピークです。

第一のピークは、1985年から87年にかけてでした。
東京中野区の鹿川君という男の子が自殺したということがありましたが、その前後に「いじめ」が多く起こりました。そのときの私達の認識はというと、「いじめは昔からあった」とか「いじめられる方にも問題があるんじゃない」というものでした。

第二のピークは1994年から96年です。
このときは、私達も進化していて「いじめはいじめる方が悪い」という意見が圧倒的に多くなりました。人権感覚が高まってきて、「いじめ」が起きるのは恥ずかしいことじゃない、早く乗り越えることが重要なんだとわかってきたのです。

そして、今、第三のピークを迎えています。
今回の特徴は、圧倒的な数の多さと高学年化、陰湿化です。高校生の間でも「いじめ」があったり、携帯のメールを使った「いじめ」が起きています。その中で世論はどうなっているかというと、いじめられている子に「死ぬな」「死んだら親が悲しむよ」などという意見が多くなってきました。

「いじめ」の問題は結論から言うと、いじめる子がいなければ、いじめられる子はいなくなるんです。だから私たち親にとって一番大事なのは、いじめない子に育てることなんです。ところが、日本で「いじめなんかしちゃいけないよ」としつけをしている家庭は9%しかありません。イギリスやアメリカは30%以上です。これだけ私たちが「いじめ」のことで心を病んでいるのに、「いじめをしちゃいけない」と教えていない、この意識。これを変えて、今年は「いじめをしない子育て」をがんばってみませんか。

☆講師紹介
1947年滋賀県生まれ。
早稲田大学卒業後、22年間、教師としてユニークな教育を展開。
現在、臨床教育研究所「虹」所長、法政大学キャリアデザイン学部教授。
信条は“子育てと教育は愛とロマン”
☆番組で紹介した本
『いじめ問題とどう向き合うか』
著者:尾木直樹
発行:岩波書店(504円 税込)

◆テレビ静岡3月31日放送◆