テレビ寺子屋

高見のっぽさん
高見のっぽさんについて

会場/静岡田町幼稚園(静岡市)

講師/高見のっぽ

第1535回「ノッポさん流本とのつきあい方」

僕は、小さい頃から大人になったら物を書く仕事をしたかったんです。世の中で一番大事なものは何かと聞かれたら、素直に、本です、と答えられます。最近は読書量が減っているようですが、小さいときから本の楽しさ、面白さを自分のお子さんにどうか伝えてもらいたいと思います。

僕だって小さいときから本に恵まれていたというわけではありません。一ヶ月に一冊だけ、「幼年倶楽部」という幼年雑誌が与えられました。昔は配達のお兄さんが自転車で配ってくれたのですが、僕は配達のその日になると家の近くで遊んでいて、お兄さんの自転車が見えたら駆け寄って本を受け取りました。近くの家をお兄さんが周って帰る頃には、もう読み終わっていました。

父親を雇ってくれたおばさんの家には「子供日本文学全集」が本棚に何十冊も並んでいました。その一番最初には「こがね丸」(巌谷小波)というのが載っていて、大変面白かったのですが、次を借りに行ったら、おばさんがもう貸してくれませんでした。

僕には一回り違う兄弟がいて、彼らの本棚には夏目漱石や森鴎外、石川啄木、有島武郎などがありましたから、小学三年生でそれらを全て読みました。そのときから、本の中にある自分と違った人間、自分と違った人生、自分が遭遇もしない事件、そういうものの中に浸れることの喜びを感じるようになりました。僕を育ててくれたのは、まぎれもなく本なんです。

この本の面白さを、どうしてみなさんは自分のお子さんに教えないのか不思議です。ゲームなどはお金を払ってやりますよね。でも、それよりももっと面白いものがここにあるんです。それを伝えないというのは、非常に悲しいことだと思います。

☆講師紹介
1934年京都市生まれ。
1970年から20年間、NHK教育幼児向け番組「できるかな」にノッポさんとして出演。
また、脚本、演出・出演を含めた舞台、作詞、講演、執筆等でも活躍中。
2005年NHK「みんなのうた」《グラスホッパー物語》で歌手デビュー
大反響により2007年、続編《ハーイ!グラスホッパー》が放送される。

◆テレビ静岡5月19日放送◆