ギニアでは子どもが生まれると、親は必ず木を一本植えます。そして根元に子どものへその緒を埋めて、その子どもの木として育てます。僕の場合はオレンジの木でした。大きくなって実がなるようになると、毎年、最初に僕がオレンジを食べて、それから兄弟や近所に配りました。そういう中で、僕たちは自然から生まれてきて、いつか自然に帰っていくということを学びました。ギニアは熱い国ですが、水を飲むときは必ず少し残して大地に返したり、木にやったりします。
また父親からも大切な4つの教えを受けました。食事の前に必ず父親が言い聞かせてくれました。一つ目は、毎日の生活の中で分かち合うことを覚えなさい、ということ。これは物だけではなく、良いことや辛いことなど気持ちの面でも分かち合えるようにという教えでした。二つ目は譲り合うこと。三つ目は許し合うこと。四つ目は、毎日手を合わせて感謝の気持ちを持ちましょう、ということ。木や水やお米にも感謝しましょうと教えられました。
そして何より印象深い父親の言葉は、社会というのは人間の指と同じようなものだ、というものです。五本の指はそれぞれ同じではありません。長い指や太い指、短い指とあります。そのどこが傷ついても痛いですよね。痛みを感じる度合いは変わりません。ですから平等なんです。社会も同じです。大きい人、小さい人、いろいろな人がいますがみんな平等です。人間は一人では生きられません。自然や動植物も含めて共存していければと思います。
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