テレビ寺子屋

オスマン・サンコンさん
オスマン・サンコンさんについて

会場/大須賀中央公民館(掛川市)

講師/ギニア日本交流協会顧問 オスマン・サンコン

第1539回「母がくれた宝もの」

今日のテーマはお母さんです。2年ほど前に僕の母は亡くなりましたが、改めて母のすばらしさを感じています。

ギニアはサッカーが盛んです。僕も子どもの頃からサッカー選手に憧れて、サッカーに熱中していました。でも、高校生のとき、試合で大ケガをしたんです。今でも右足が不自由なんですが、母はそれを自分のせいだとずっと思っていました。もちろん、母のせいではありません。ギニアには電気がありませんでしたから、山から枯れ木をとってきてお湯を沸かします。母は僕の足をお湯につけて、アフリカの油で毎日揉むのです。そのときの母の手のぬくもりは、今でも感じています。小さな手で一生懸命揉んでくれました。

母は僕の将来のことを悲観して毎日泣いていました。その母の涙を止めるために、僕はサッカーをあきらめて勉強を頑張ることにしました。朝早く、兄弟たちに見つからないように隠れて勉強しました。おかげで国家公務員試験で僕は1万人の中の一番になれたのです。そして外務省に入ることができ、日本に来ることになりました。

日本に来て3週間目、母から手紙がきました。当時は電話がなかったので、母と連絡をとるには手紙しかなかったのです。しかも、投函してから2ヶ月くらいかかることもありました。その最初にもらった母の手紙は、いつも上着のポケットにいれて、励みにしていました。

その母からの教えられたのは、いいことをすればバルカ(ギニアのスースー語で「徳」「恵み」の意)がもらえる、ということでした。目には見えないけれど、心に貯まる貯金のようなものです。他人のためにいいことをすれば自分に必ず返ってくる。僕は良い生き方を教わったと思います。

☆講師紹介
1949年ギニア共和国生まれ。1972年ギニア大使館設立のため来日。
「笑っていいとも」などのテレビ番組で人気者に。
現在は全国各地で講演活動のほか、
ギニア日本交流協会顧問としてボランティア活動もおこなっている。

◆テレビ静岡6月16日放送◆