テレビ寺子屋

大山のぶ代さん
大山のぶ代さんについて

会場/善光寺(長野県長野市)

講師/女優 大山のぶ代

第1540回「地球にやさしい暮らし方」

今、日本では地球にやさしくなんて言われていますよね。でも、私が13人家族の13番目で育った子どもの頃から15年くらい前までを思い出してみると「地球にやさしく」なんて意識しなくても、それぞれが毎日の生活の中でできることだろうと思います。

寿限無(じゅげむ)という落語の中に「食う寝るところに住むところ」という言葉が出てきます。「食う」「寝る」「住む」の中で「食う」が一番最初に出てくるということは、食べることが一番大切なんだと、あるとき気が付きました。でも、その食べ方や食べ物を売る場所、売り方が、このわずか10年か15年の間にまるで変わってしまいました。

私の家では、今晩のおかずは何にしようかって言いながら、祖母と母と私で、それぞれ自分の買い物袋を持って市場に行きました。そこで、母が初物のナスに目をやると、祖母は「走りはだめだめ、旬が一番」と言うんですね。走りのものは値段ばかり高くておいしくない、それよりも出盛りになって一山いくらになったものをたくさん買いこんで、いろいろと料理するのが女の腕だよなんて言っているのを聞いて、そういうものかと子供ながらに思ったものでした。

柿は金持ちにむかせろなんて言いますよね。皮をりんごみたいに薄くむくとしぶが残るから厚くむくんです。でも、皮は干して、木綿の袋に入れてお風呂につけるんです。干葉湯と言いました。これはビタミンCが溶け込んで体があったまるし、さらにお肌がつるつるになるそうです。そうやっていると捨てる部分が少ないんです。つまり家から出る生ゴミをずいぶんと減らせます。

同様に、根三つ葉の食べ方も子供のころからよく見てきました。葉っぱをおひたしにしたら残った根っこを土に植えます。するとあと3回くらいは生えてきますから、その新芽を食べたものです。さらに、残った根っこも最後はきんぴらにして食べました。これでゴミはほんの少ししか出ません。些細なことかもしれないけれど、各家庭が全部それをやったらずいぶん楽しく地球に優しい生活ができると思います。

☆講師紹介
1936年、東京生まれ。
高校在学中に俳優座養成所に入学し、20歳のときに「この瞳」(NHK)で女優デビュー。
1979年から2005年まで「ドラえもん」の声を担当し国民的な人気を得る。
料理や水の研究にも定評があり、著書も多数。

◆テレビ静岡6月23日放送◆