| 父は書家としてユニークな生き方をした人ではありますが、私と妹の2人の子どもを育てたごく普通の父親という面もありました。ただ、独特な作品を残した人ですから、子どもに対する思いというのも個性的であったといってよいと思います。
まずはじめにご紹介する作品は『ただいるだけで』という作品です。「あなたがそこにただいるだけでその場の空気があかるくなる あなたがそこにただいるだけでみんなのこころがやすらぐ そんなあなたにわたしもなりたい」。今日はこの作品中の「あなた」というのを「お母さん」に置き換えて、親と子の関係を考えてみたいと思います。子どもが小さいうちはお母さんと常に一緒にいる時期というのがあります。その時の暮らし方というのが非常に大事であると思うのです。父は、お母さんは子どもにとって絶対の安心感を与える存在であって欲しいと言っていました。ですから、父もこの作品を親子関係として捉えていた時期もあったのではないかと思います。
次の作品は「うつくしいものを美しいと思えるあなたのこころがうつくしい」という作品です。父に言わせると、美しいものをみて素直に感動できる心というのは反対にいうと、戦争や犯罪、いじめなどの不正なものを見たり聞いたりした時にこれは間違っているとわかる心なのだそうです。ですから、親が子どものためにしなければいけないことの中でも特に大切なのは、美しいものを見て素直に感動できる心を養っておくことなのです。
―その他の紹介作品―
『みんなほんもの』『待つ』『子供へ一首』
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