テレビ寺子屋

山元加津子さん
山元加津子さんについて

会場/藤枝市立高洲小学校(藤枝市)

講師/石川県立明和養護学校教諭 山元加津子

第1569回「みんな同じ みんな素敵」

今日は、養護学校の教員になったばかりの頃に出会った「きいちゃん」という女の子のお話をします。

 

きいちゃんは、出生後まもなく高熱が出て、手足が思うように動かないという障害を持ちました。
ある日、きいちゃんがとても元気に職員室へ飛び込んできました。何かと思うと、お姉さんの結婚式に出席することになり、楽しみで仕方がないということでした。しかし、数日後に教室を覗くと、きいちゃんが机に伏して泣いていたのです。そして、「お母さんが、お姉ちゃんの結婚式に出てはいけないって言うの。私のことが恥ずかしいんだわ。」と言いました。私は、きいちゃんのお母さんがそのようなことを言うはずがないと思いました。しかし、今から25年近く前の当時は、障害者に対する偏見が強かったので、苦渋の思いでそう言ったのでしょう。

私は、お姉さんへプレゼントをしたらどうか提案しました。きいちゃんは手に重い障害があるにもかかわらず、一生懸命着物を縫い上げました。そんな思いを酌んで、お姉さんは改めてきいちゃんにも結婚式に出席して欲しいと言ってくれたのです。

私は、きいちゃんと出会って、自分は間違っていたなと思うことがあります。自分は教師なんだから子ども達に色々と指導しなくてはいけないと考えていました。しかし、人間が出会うということは、どちらかが一方的に教えるというのではなく、お互いに教え合い、学び合い生きているのだと思います。それは、年齢や性別や身体的なことなど、様々な違いがあっても誰でも同じことだと思います。

 

☆講師紹介
1957年金沢市生まれ。
富山大学理学部卒業後、小学校の講師を経て養護学校の教員となり、現在に至る。
教師と生徒という関係ではなく、障害を持った子どもたちを一人のかけがえのない友達として
同じ目線にたった活動を続けている。
主な著書に「たんぽぽの仲間たち」「本当のことだから」他多数。

◆テレビ静岡1月26日放送◆