きいちゃんは、出生後まもなく高熱が出て、手足が思うように動かないという障害を持ちました。
ある日、きいちゃんがとても元気に職員室へ飛び込んできました。何かと思うと、お姉さんの結婚式に出席することになり、楽しみで仕方がないということでした。しかし、数日後に教室を覗くと、きいちゃんが机に伏して泣いていたのです。そして、「お母さんが、お姉ちゃんの結婚式に出てはいけないって言うの。私のことが恥ずかしいんだわ。」と言いました。私は、きいちゃんのお母さんがそのようなことを言うはずがないと思いました。しかし、今から25年近く前の当時は、障害者に対する偏見が強かったので、苦渋の思いでそう言ったのでしょう。
私は、お姉さんへプレゼントをしたらどうか提案しました。きいちゃんは手に重い障害があるにもかかわらず、一生懸命着物を縫い上げました。そんな思いを酌んで、お姉さんは改めてきいちゃんにも結婚式に出席して欲しいと言ってくれたのです。
私は、きいちゃんと出会って、自分は間違っていたなと思うことがあります。自分は教師なんだから子ども達に色々と指導しなくてはいけないと考えていました。しかし、人間が出会うということは、どちらかが一方的に教えるというのではなく、お互いに教え合い、学び合い生きているのだと思います。それは、年齢や性別や身体的なことなど、様々な違いがあっても誰でも同じことだと思います。
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