| 子ども達に落語を知ってもらうのが、なぜ必要なのかというと、今、子ども達のコミュニケーション不足が問題になっているからです。自分の気持ちを相手に伝えたい、相手の気持ちを受け止めたい、それらは、全てコミュニケーションです。では、このコミュニケーションには、何が必要なのでしょうか。ひとつは、想像する力、もうひとつは、それを伝える表現力だと思います。このふたつを身につけることによって、コミュニケーション力は確実にアップするはずです。想像力と表現力は、落語には欠かせないものです。
落語を演じる時、私は何も持ちませんが、手元には扇子と手ぬぐいがあります。この扇子は刀にもなり、お箸にもなります。それでは、この扇子でお蕎麦を食べてみましょう。左手は丼を持ったつもりで、右手にはお箸に見立てた扇子です。熱ければフーフーし、すする音を出せば、おいしそうに見えませんか。この動作を学校で子ども達に実演してもらうと、楽しそうにやってくれます。「学ぶ」という言葉は、「まねぶ」、つまり真似をすることから生まれたと言われています。子ども達は、想像して、独自の表現を加えて、食べる仕草をします。
先日、あるお子さんから手紙をもらいました。家族の前で、お蕎麦を食べる真似をしたら、両親が喜んでくれて、とても楽しかったとありました。落語が少しはお役にたてたのかと思い、うれしくなりました。
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