テレビ寺子屋

野口 健さん
野口 健さんについて

会場/磐田市立磐田中部小学校

講師/登山家 野口 健

第1665回「落ちこぼれの挑戦」

私はアメリカで生まれ、いろいろな国を転々としました。
父は日本人ですが母は混血で、
私には5種類の血が流れています。
だから、こんな風貌で幼い頃は日本語もできませんでした。

 

高校の時に停学になってしまい、それを父に報告して辞めようかなと呟くと
「ただ何の目的もなく辞めるのは意味がない。
これからどうするのか一人旅でもして考えて来い。」と言われました。

大阪旅行中に植村直己さんの著書「青春に山を賭けて」に出会いました。
一流大学、大手企業に入ることが勝ち組という風潮の中で、
自分で線路を敷いていく植村さんの生き方に憧れ、山登りを始めました。

19歳の時に植村さんが消息を絶った北米最高峰マッキンリーに挑戦しました。
氷河でクレバスに落ちて死ぬ思いを味わい、引き返そうと思いました。
その時に雪原で見つけた凍死した鳥は、ちっぽけな点でした。
自分もこの広大な山の中ではちっぽけな点にすぎないと思ったら、
悩みもコンプレックスも小さなものに感じられました。

エベレストには3回挑戦して、ようやく登頂できました。
落ちこぼれから脱出して自由な世界に入りたいと思い、山にのめり込みました。
そして自由と決断と責任が結びついていることが、2回目の失敗で初めてわかりました。
また、何が成功で何が失敗かは自分で決めようと思ったのもこの頃です。
死ぬ間際に振り返ってみて51%成功していたら自分の人生は成功だと。
ということは、49%は失敗してもいいのです。

山登りを始めてから、エベレスト登頂の成功まで10年かかりました。
私はコツコツ続けていけば何とかなるという自信がつきました。

 

☆講師紹介
1973年生まれ。
99年エベレストに登頂、7大陸最高峰世界最年少登頂記録を25歳で樹立(当時)。
2000年からエベレストや富士山で清掃活動。

☆リンク
登山家・野口健ホームページ

◆テレビ静岡12月5日放送◆