| 伸行が、音に敏感だと最初に気がついたのは、彼が8ヶ月の時でした。
私がブーニンのCDを聞いていると、足をバタバタさせリズムをとっているようでした。
あまりに嬉しそうなので、いつもブーニンのCDを聞かせていました。
ある日、別の演奏家のCDを聞かせてみたら、全く反応しません。
改めてブーニンを聞かせると、また楽しそうに反応するのです。
私はうれしくなると同時に、もしかしたら演奏家を聞き分ける能力があるのではと思いました。
母親は子どもにとって一番身近な存在です。
伸行の興味、関心に気がついて、少しは母親の役目ができたかなと思っていますが、
私は音楽に詳しくなく、まして全盲のハンディですので、
音楽家にしようという気持ちは全くありませんでした。
伸行が2歳になった時、おもちゃのピアノを買い与えました。私はよく歌を口ずさみます。
それは私の声を聞いて彼が安心するからですが、どんな歌を歌っても、
すぐ伴奏をつけてくれるので本当にびっくりしました。
小学生になると、伸行は僕の演奏を皆に聞かせたいと言うようになり、ピアノの先生をつけました。
子どもの可能性は無限大だと思います。
伸行に音楽家は無理だと言われていましたが、
私は音楽家が無理でも伸行の好きな事は応援しようと思っていました。
母親が応援しなければ、誰がするのでしょうか。
|