身近な〇〇を活用! 列車の安全~車掌がシミュレーター開発 静岡

2021年04月14日(水)

地域話題

「列車の安全な運行」についての話題です。

さまざまな交通機関で訓練にシミュレーターが導入され、乗務員が能力向上に努めています。

こうした中、JR東海静岡支社で車掌がシミュレーターを開発し訓練に取り入れられています。

どんな機器が活用されているのでしょう。

車掌「乗降終了、ドア閉。『ドア閉めます、ご注意下さい』。乗降終了、ドア閉」

放送「2番線から興津行、発車いたします」

東海道線と新幹線を合わせ、1日に11万8000人余りの乗降客があるJR静岡駅。

列車を決まった時間に運行させ、乗客を安全に運ぶ。

それが乗務員の役目です。

加藤洋司記者 「通勤に通学、それぞれの目的地に急ぐ人の多いラッシュの時間帯、思わぬ事態への対応も必要です」

熱海から豊橋の区間では2017年度、18年度、乗客が列車に接近する事例が527件報告されました。

乗客のささいな行動、乗務員の対処方法が命にかかわる可能性もあります。

そんな乗務員の対応能力を高めるために使われているのが「シミュレーター」です。

アナウンス「(チャイム)ドアが閉まります、ご注意ください」

車掌「乗降終了、ドア閉」

(ブザー)

運転士役「はい、運転士です」

車掌「5号車付近でお客様のバッグがドアに挟まってしまったので、いったんホーム側のドアを全て開けます」

運転士役「了解しました。よろしくお願いします」

車掌「お客様にご案内いたします。いったんホーム側のドアを全て開けます。ドア付近のお客様、開くドアにご注意ください」

JR東海は乗務員の拠点となる静岡と名古屋11の運輸区で、車掌の訓練用シミュレーターを改修しました。

費用は約4億円です。

改修されたシミュレーターは、78種類のシナリオを設定することができます。

かばんや傘がドアに挟まれる、非常ブザーが押されるといった事態を複数発生させることができる他、運転士・列車指令役との無線交信も可能になりました。

録画機能が設けられ、訓練の様子を振り返ることもできます。

JR東海 静岡運輸区・山田有香音車掌 「一番あるのは駆け込み(乗車)というところで、朝の時間帯は死角も多いので、全く自分が予想もつかないところからお客さまが走ってきたりとか、カバンが挟まっていたりというのはよくあります」

JR東海 静岡支社 運用車両課・西澤和正係長 「一歩先のこと、例えば異常時の対応能力、異常時が起きた時にどういう対応をするのか。そもそも異常に気付くことができるのか、感度を訓練装置を使って高めてもらいたい」

このシミュレーターと組み合わせ、さらに実践的な訓練を可能にしたのが網戸を活用した機器「アミッド」です。

静岡運輸区の車掌たち5人が研究を進め開発したものです。

JR東海 静岡運輸区・榊原一登車掌 「自分たちで、こういう駅での対応ってよくあるよねと話があります。それが新人とかに話はできるけれど、実際に訓練装置には入っていない。どうやって伝えていこうというところから始まりました」

シミュレーターに新たなシナリオを追加するには多額の費用がかかります。

車掌の榊原さんたちはアーティストのコンサートの演出をヒントに、自分たちで作った動画を網戸に映しだすことを思いつきました。

発車間際の駆け込み乗車や、地震の揺れが起きた時の様子など乗務員が乗客役を演じています。

JR東海 静岡運輸区・榊原一登車掌 「これなら僕たちにも再現できる、大きな機材を使わなくてよいとか、コスト面でも問題なくできるということで網戸に映すというのを使わせてもらいました」

かかった費用はおもに網戸代程度。

シミュレーターの背景に東海道線で撮影した実際の車窓を流し、その上に「アミッド」で駆け込み乗車や急病人といった事象を作り出します。

費用を抑え、効果的な訓練を可能にした「アミッド」は、日本鉄道運転協会の研究発表会で「国土交通省鉄道局長賞」に輝きました。

いまアミッドは静岡と名古屋11カ所の運輸区に配備され、日々の訓練に役立てられています。

JR東海 静岡運輸区・榊原一登車掌 「自分の子供を産んだみたいな感じではないですけれど。これでいろいろな乗務員がお客さまの安全を守れるようになれば、開発に苦労した点がたくさんあったのですが、良かったと実感する時があります」

仲間の活躍、研究開発の高い評価は同僚にも大きな刺激になっています。

JR東海 静岡運輸区・山田有香音車掌 「頑張っている姿を間近で感じることもできますし、それをモチベーションに、自分もそれを最大限生かせるように訓練をしていかないといけないなという風になります」

定時運行、快適な走行が当たり前の日常になっている日本の鉄道。

その裏には乗務員のたゆみない努力があります。

静岡で開発された機器を力に、これからも安全に向けた取り組みが続けられます。

◆シミュレーター「アミッド」◆

静岡運輸区には82人車掌がいて、いつでも訓練に取り組むことが出来る他、新人の研修にも使われるということです。

「アミッド」のメリットは、車掌が実際に体験した危険な出来事を再現して動画として取り込み、他の乗務員が体験できることだそうです。

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