廃棄されるビールで“クラフトジン”~作り手の気持ちを受け継ぐ

2021年04月15日(木)

地域ビジネス(政治・経済)話題

新型コロナウイルスの収束が見えず苦しむ飲食業界。

去年開店した、静岡県内初のクラフトジンの蒸留所が、感染拡大の影響で廃棄されるビールを使って新たな商品を作りました。

去年、沼津市にオープンした「沼津蒸留所」。

蒸留酒であるジンを製造する、県内初めてのクラフトジン蒸留所です。

県内産のジン第1号として11月から製造・販売している「レイジーマスター・シルキーシトラス」は、沼津特産の西浦ミカンや橘などを香りづけに使っています。

客 「おいしいです。すごく飲みやすくて、柑橘の香りといろいろなフレーバーの香りがしてすごくおいしいです。飲みすぎてしまいそうな味」

3月、沼津蒸留所ではすでに新商品の仕込みが始まっていました。

原酒として使うのは「ビール」です。

沼津蒸留所・永田暢彦取締役 「ジンは比較的自由度が高いお酒で、いろいろなものをベースに使ったりとか、そういうこともできるので、今回ちょっと残念な出来事でこういう材料が出てきたということなんですけど。少しでも力になれるなら、うちのお酒でもう一度生まれ変わって商品になってくれたらいいのかなと思います」

静岡市で初めてのクラフトビール「アオイビール」。

製造していた会社は、新型コロナウイルスの影響で経営が行き詰まり破産申請の準備を始めました。

在庫のビールは出荷できず廃棄せざるを得ない状況でしたが、沼津蒸留所がジンの原料として約800リットルを仕入れました。

蒸留釜でアルコールを蒸発させたあと、冷却する工程を繰り返してクラフトジンを作ります。

沼津蒸留所・小笹智靖社長 「これがアオイさんから仕入れた、ビールでも同じ仕込みに使っている、ゆずのピール(皮)ですね」

沼津蒸留所のこだわりは、香りづけに県内産の果物や植物を使うこと。

今回は、ゆずや静岡茶のビールを原酒に使っていることから、香りづけにもゆずやお茶の粉末など4種類を使うことにしました。

小笹智靖社長 「実際、蒸留すると1回分の蒸留で香り成分が少し飛びます。新たにアオイビールから引き継いだボタニカルで香りをさらに添加するという形で、香りは増すと思います」

蒸留を繰り返し、アルコール度数の調整をして2週間寝かせます。

3月27日、沼津蒸留所2種類目のクラフトジンが完成しました。

小笹智靖社長「(Q:どうですか?)おいしいですね。ゆずの香りと、お茶の少しさわやかな苦みというか、それが感じられますね」

ビールの風味も生きています。

完成したのは約50リットル。

名前は「葵」を意味する「Hollyhock(ホーリーホック)」に決まり、ラベルにはアオイビールのロゴマークもいれました。

クラフトジンに生まれ変わった廃棄間近のビール。

アオイビールの関係者もこう話していました。

「心を込めて作ったビールが行き場を失って廃棄されることが、作り手として一番つらい。ビールのニュアンスも残したおいしいジンになり感謝しています」

沼津蒸留所・小笹智靖社長 「アオイビールのビールを使って、その作り手の気持ちを僕らが受け継いで製品にできたというのは、とても光栄なことだと思います。モノづくりの火を消さずに受け継いでいく。どんな形でもいいので、みなさんの手に行き渡るようにしたい、届くようにしたい」

志半ばで事業を終えた作り手の思いが、形を変えて受け継がれていました。

◆クラフトジン「レイジーマスター・ホーリーホック」◆

レイジーマスター・ホーリーホック(200ミリリットル)は、オンラインストアでトニックウォーター2本つきのセット3800円で、1人2セットまで予約受付中です。

また蒸留所併設のバーでも飲むこともできるそうです。

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