畑や町工場を「DX」したら? ドローン・AIが収穫時期や作業効率を教えてくれた!

2022年03月31日(木)

テクノロジー

最近よく耳にする「DX」。デジタルトランスフォーメーションの略で、デジタル技術を社会に浸透させ生活をよりよく変革することだ。畑ではドローンが収穫時期を見極め、老舗の町工場ではAIが作業効率を教えていた。

◆カメラが教える効率稼働

熱で溶かした金属を型に流し込んで作る「鋳物(いもの)」。機械部品や日用品などに使われている。

明治時代から静岡県内で鋳物づくりを続けている栗田産業。日本のモノづくりを支える現場で、いま変化が起きている。

栗田産業IoT推進室・森下篤史主任:
こちらのカメラは、溶けた鉄をどれだけ流し込んだかを量る重量計の表示板を読みとっています

工場内には小型カメラが数多く設置され、機器の数値や溶解炉の状況を常に撮影している。その映像はAI、人工知能が解析しグラフ化される。

栗田産業・森下主任:
今までとっていないデータもありました。それをデジタル化してデータで見られるようにすることで、今の効率が良いのか悪いのかを把握しようとしています

稼働状況を把握することで、効率的な電力消費や作業ロスの削減などにつながっているという。

栗田産業・栗田圭副社長:
設備も古いものだと30年物もあります。製造では問題なく動いているのでIoT(インターネット接続)のために買い替えるということはできないので、欲しいところを自分たちで選んでDX化する形をとっています

◆空から野菜のサイズがわかる

DXは農業の分野でも進んでいる。

浜松市でブロッコリーの生産・販売を行うアイファーム。

杉村祐太朗記者:
浜松市南区のブロッコリー畑です。こちらではブロッコリーの生育状況を空中からドローンで確認しています

アイファーム・南波陽平オペレーター:
ブロッコリーのサイズがどうなっているのか、さらに全体を上から見ることで、成長具合のばらつきや病気になっているかか一目でわかる

画像は1mおきに撮影され、AIで解析される。

アイファーム ・池谷伸二社長:
ぽつぽつとカラフルに色分けされているのが、ブロッコリーの生えている部分。これを解析技術を使うことによって、例えば14cm以上は赤色、12~14cmはオレンジ色、10~12cmは黄色と色分けされ、いま畑にどういうサイズのものがどういうふうに分布しているか、この解析技術でわかります

ブロッコリーは生育がばらつきやすく収穫に適した時期も短いため、農家が畑を頻繁に見回る必要があったという。

しかし、ドローン画像とAIを組み合わせることで、30日後までの収穫量や売上の予測が可能になった。人件費に換算すると年間1500万円以上削減できるそうだ。

アイファーム ・池谷伸二社長:
人によって感覚の違いがあります。それを数値化したり画像化することで共通認識ができるようになり、より精度の高い情報が共有できるようになるということで、今後の農業に期待しています

◆静岡県もDXを推進

静岡県もDXの推進に力を入れている。

静岡県・川勝知事:
デジタル化などの技術革新に対応できる人材を育成していくことが、いま喫緊の課題になっています

2022年度当初予算に、市町への支援や行政手続きのオンライン化、さらにデジタル化をサポートする人材の育成など約31億円の関連費用を盛り込んだ。

県デジタル戦略課・漆畑智絵主任:
デジタルは手段のひとつと考えているので、デジタルを活用して業務を改善したり、課題を解決していく方に重きを置いて、変革に重きを置いてやっていけたらいいと思っています

◆点の集まりで建物・地形を立体的に

特に力をいれているのは3次元点群データの活用だ。3次元点群データとは、地形や建物の形状を、座標と色を持つ点の集合体として立体的に表現したものだ。

ひとつひとつの点が緯度・経度・標高という3次元情報を持っているので、位置や大きさを忠実に再現でき、いろいろな目的に活用できる。航空写真やアニメーションに匹敵する映像表現が可能だ。

県は2019年度から県内の計測を開始し、すでに全域のデータを取得している。

県建設政策課未来まちづくり室・増田慎一郎室長:
これは熱海の街中のデータになります。そのまま空から街の中まで入っていくこともできます。照明灯や標識や電線までも表現できています

点群データはインフラの更新計画やハザードマップの策定など、行政の幅広い分野で活用できるということだ。

またオープンデータとして誰もが使用できる点も、期待が膨らむ。すでにレースゲームの背景に組み込んで活用している人もいる。

県未来まちづくり室・増田室長:
我々の想像を超えるような取り組みをしていると受け止めている。新たなビジネスを、ここから創出して頂きたい

様々な分野で進む「DX」。これまで抱えていた課題の解決、そして誰もがその恩恵を受けられる社会の実現に向け、試行錯誤が続いている。

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