【詳報】「事実上捜査機関の者による可能性が」袴田事件 東京高裁が再審開始決定

2023年03月13日(月)

地域

東京高裁前(13日午後2時過ぎ)

袴田事件について、東京高裁(大善 文男 裁判長)は再審開始決定を出しました。東京高裁が示した理由の骨子は以下の通りです。

静岡地裁の再審開始決定(※原決定)は、5点の衣類等のDNA鑑定型に関する証拠及び5点の衣類の色に関する証拠(とりわけみそ漬け実験報告書等)を「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」に該当すると認め、原審で提出されたみそ漬け実験報告書等について、刑訴法435条6号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」であると認めた原決定の判断に誤りはなく、再審を開始するとした原決定も、その結論に置いて是認できる。

◆「血痕に赤みは残らない」

弁護側が提出した各みそ漬け実験報告書と、検察側が提出した長期間みそに漬けられた衣類に付着した血痕の色の変化については、各専門家が作成した各鑑定書及び各専門家の証人尋問の結果により裏付けられたということができ、1年以上みそ漬けされた衣類の血痕の赤みが消失することは、化学的機序として合理的に推測することができる。

みそ漬けされた血痕の色の変化に影響を及ぼす要因について、今回の審理で取り調べた各専門的知見等によって裏付けられることにより、「1年以上みそ漬けされた5点の衣類の血痕には赤みが残らない」ことを認定できる新証拠と言える。

◆第三者がみそタンクに隠した可能性「捜査機関の可能性が極めて高い」

みそタンクから発見された5点の衣類が、1年以上みそ漬けされていたと確定判決が認定した事実に合理的な疑いを生じさせることになる。

このことは5点の衣類の証拠の重要性、5点の衣類を袴田さんがみそタンクに入れることが事実上不可能で、5点の衣類が犯行着衣で袴田さんのものであり袴田さんが犯人であるという確定判決の認定に、重大な影響を及ぼすことは明らかである。

そのうえで、5点の衣類が1年以上みそ漬けされていたことに合理的な疑いが生じており、袴田さん以外の第三者がみそタンクに隠した可能性が否定できない。この第三者には捜査機関も含まれ、事実上捜査機関の者による可能性が極めて高い。

◆新証拠では「有罪」との判断に達しない

新証拠が確定審で提出されていれば、袴田さんは有罪であるとの判断に達していなかったと認められる。

また、原審の静岡地裁は死刑及び拘置の執行を停止する決定をしていますが、袴田さんが無罪になる可能性や年齢・心身の状況等にてらして、支持できるとしています。


再審開始決定に東京高検は「検察官の主張が認められなかったことは遺憾である。決定の内容を精査し、適切に対処したい」とコメントしています。

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