「自然に涙がこぼれた」と喜ぶ姉・ひで子さん「画期的な決定」と評価する弁護団 東京高裁が再審開始を決定

2023年03月13日(月)

地域

袴田巖さんの姉・ひで子さん(左)と弁護団の事務局長・小川弁護士(右)

東京高裁は、当時の静岡県清水市で一家4人が殺害されたいわゆる袴田事件について、13日に再審開始決定を出しました。会見を終えたばかりの、袴田巖さんの姉・ひで子さんは「自然に涙がこぼれた」と心境を語り、弁護団の事務局長・小川秀世弁護士も「画期的な決定」と評価しました。

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◆自然に涙がこぼれた

袴田巖さんの姉・ひで子さん

―ひで子さんは決定うけて、涙があり笑顔があり、そしてうれしいという言葉を何度も使っていました。決定を聞いたときの気持ちは。

袴田巖さんの姉・ひで子さん(以下 ひで子さん):
大変うれしい。もう自然に涙が出ました。泣くまいと思ってましたけどね。うれし涙がね、こぼれました。本当にありがとうございます

―巖さんには今後伝えるのでしょうか。

ひで子さん:
付き添いの人には伝えたんですがね、本人には直接伝えようと思って。明日帰ったら、説明するつもりでございます

◆これまでの年月は尊い

袴田巖さんの姉・ひで子さん

―うれし涙の裏には、これまで闘ってきて大変なことがたくさんあったと思います。ひで子さんの支えは。

ひで子さん:
56年、まもなく57年闘っていますからね。第一次再審請求で棄却されたときにはね、みんなが敵に見えたの。きょう再審開始決定が出ましたが、やっぱりこれまでの年月は尊いものだと思います

―今回の高裁の再審開始という判断は、大きな励みになるんじゃないですか。

ひで子さん:
もちろんですよ。56年闘ってきたですからね。負けるつもりで闘っているわけじゃないですよ。勝つつもりでやってるんですからね。本当に良かったと思っております。ありがとうございます。

―再審開始が確定した状況ではありませんが、今後の裁判に臨む事、どんなことでしょうか

ひで子さん:
検察側が特別抗告するかどうかということですが、するならするでしょうがないね。そう法律が決まっているから。たぶんするでしょうね、やっぱりね。でもね、2~3年で片付くと思います

◆弁護団「画期的な決定」

弁護団・小川秀世弁護士

―事務局長の小川弁護士にも話を伺います。小川弁護士も涙を流されていました。決定の知らせを受けた瞬間はどんな心境でしたか

弁護団・小川 秀世 弁護士(以下 小川弁護士):
決定文をもらった時には、私は当たり前じゃないかと思ってましたけれども、みなさんに囲まれて喜んでくれて、ジーンときましたね

―今回の決定に至った理由はどう分析されますか。

小川弁護士:
最高裁から引き継いだと言った方がいいかもしれませんが、決定は画期的なものです。どこが画期的かというと、ねつ造に対して偏見もなく捉えてくれて、そのねつ造の可能性をもってすべてを理解をしてくれたところが画期的だったと思います

―検察への要望ありますか

小川弁護士:
検察は特別抗告の可能性はもちろんありますが、論理的には私はできないと思っています。この事件は、5点の衣類が犯行着衣であることを示さなければ、特別抗告できないわけですけれども、もう何も証拠がないと決定でもいっています。実際、何もないんですね。ですから、もう特別抗告の申し立て自体ができないものと私は考えています

◆帰ったら「もう安心しなって」

袴田巖さんの姉・ひで子さん

―ひで子さんは、長年 巖さんを支え続け裁判を闘ってきたことは、お母様への思いもあったかと思います。お母様へいま、どんなことを報告したいでしょうか。

ひで子さん:
母親はね、大変苦労しましてね、一審から頑張っていたんですが、一審の判決が出た直後に68歳で亡くなりました。だから、親孝行のつもりで私がやってたんですが、実を言うと巖は無実であるということ。無実だからここまでできたと思っております

―無実を真実信じ続ける中で、まだ巖さんには伝えていないということですが、今後どのように伝えたいですか。

家に帰ったらね、いい結果が出たよ。もう安心しなって。前もそう言ったんですがね。やっぱりそのぐらいのことは言いたいと思っております

◆弁護団も想定しない“踏み込んだ決定文”

弁護団・小川秀世弁護士

―決定文には、5点の衣類について第三者が隠した可能性があり、捜査機関による可能性が極めて高いとかなり踏み込んだ表現だったと思います。ここまでの表現を小川弁護士は想定していましたか

最高裁の差し戻し決定が、ねつ造や第三者が隠したということには全く触れていなかったので、そこまでは想定していませんでした。ただ、今回は論理的に、ねつ造のことを突き詰めていくと、捜査機関に行きつかざるを得ないという意味で、それは論理必然だったと思います

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