山間部「オクシズ」の買い物・配送支援 郵便配達車の空きスペース活用し実証実験

2024年11月07日(木)

地域暮らし・生活ビジネス(政治・経済)

郵便配達車と「オクシズ」からの荷物

郵便局が配達する車の空いたスペースを活用して静岡市の山間部に住む人たちの、買い物や商品の配送を支援する実証実験が始まりました。

「オクシズ」から市中心部へ

清沢郵便局での荷物の受け渡し

静岡市の中心部から車で30分以上かかる山間部通称「オクシズ」。

清沢郵便局に「きよさわ里の駅」を営む女性が訪れました。

発送のために持ってきたのは地元で採れたサツマイモそして地元の清沢レモンを使ったカレーです。

事前に予約すると決められた箱に入る量は25kg以下であればすべて300円でその日のうちに市中心部の静岡中央郵便局に運ばれ飲食店などが受け取れます。

伊藤渚紗 記者

活用するのは郵便配達で使う車の空きスペースです。

伊藤渚紗 記者:
こちら街でよく見かける郵便局の赤い車ですが、この空いたスペースに地域の特産品を積み込んでいくということです

きよさわ里の駅・幡川恵子 代表:
なかなか清沢まで買い物に来てくれる人が少ないのでこのような事業で街の方で売ってもらうのはとても助かります。今まではスタッフが運んでいた。清沢郵便局(発送でき)近くなってとても助かります

山間部の生産者が安く、時間をかけずに都市部に農産物や商品を届ける取り組みです。

清沢郵便局・中村伸生 局長:
地域の地場産品を街中に当日中に届けることによって新鮮な農作物をお客様に届けることが私たち郵便局の使命。買い物に行くのが困難な人たちに利用してもらうことで郵便局とオクシズ地域の活性化につながればいい

市中心部から「オクシズ」へも荷物が

鈴木龍士郎さん

実証実験では配達する車の空きスペースが生鮮食品などを販売するネットスーパーにも活用されます。

「オクシズ」の買い物客がネットで注文した商品が車に載せられ向かった先は静岡中央郵便局。

こちらのネットスーパーではこれまで「オクシズ」への配送はおこなっていませんでしたが商品は郵便配達の車の空きスペースを活用し「オクシズ」の郵便局へ運ばれていきました。

伊藤渚紗 記者:
こちらの郵便局の中には市街地のスーパーから運ばれた商品を受け取る場所が設置されています

商品の到着後注文した客が郵便局を訪れました。注文したのは宿泊施設の経営者。醤油などの調味料やアイス、それにビールなどを受け取ります。

B&Bイタダキ・鈴木龍士郎さん:
すごく良いです(郵便局まで)5分で着くのでサクっと拾って来れるので楽です。
ガソリン代もそうですし距離もあるので、あとは時間。僕は客商売をしているのでお客さんとの時間が重要。一回買い物を忘れたとなると結構(時間の)ロスになるのである程度買っておけるのは宿としても僕自身としても楽かなと

清沢郵便局と郵便配達の車

タカラ・エムシー 田海廣人さん:
今までできなかったことができて、お客様により便利な形になったのは本当によかった

こうしたサービスの展開により山間部の住民の買い物や発送などの負担を軽減し地域の活性化を進めることが期待されています。

実証実験の仕組みについて

この取り組みは山間部と静岡市中心部の郵便局を行き来する配達の車を活用して配送の支援と買い物の支援の2つがあります。

配送の支援では農家などが1箱300円で都市部の郵便局に農産物などを当日中に届けることができ注文した飲食店などが受け取りに行きます。

また買い物の支援では「オクシズ」の買い物客が楽天の全国スーパーというウエブサイトを通じて食品スーパーマムの商品を注文できます。

午前8時までの注文で当日の配送も可能でスーパーは商品を都市部の郵便局に届け買い物客は「オクシズ」の郵便局に行って商品を受け取ります。

ただ1回220円か440円の配達料がかかるほか郵便局に月額990円を支払う必要があります。

この実証実験ですが配送の支援は2025年1月末まで、買い物の支援は2025年4月末までおこなわれます。

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