菊地幸夫 弁護士が解説…裁判のポイントは? 市議が不当な利益を得ていたとして沼津市が提訴 市が改めて当該地の所有権を主張 市議は「私を陥れるような主張」

2025年01月15日(水)

地域ビジネス(政治・経済)

静岡県沼津市の土地を駐車場として貸し出し不当に利益を得たとして市が市議を訴えた裁判が1月15日に開かれ、沼津市が改めて土地の所有権を主張しました。

沼津市は、山下富美子 市議が自宅に隣接する市の土地を許可なく有料駐車場として貸し出し、不当な利益を得ていたとして約204万円の返還を求めています。

前回の裁判で、山下市議側は「問題の土地には私有地に設置される公共汚水桝があることなどから市は山下市議の所有地と認識していた」と主張していました。

これに対し、市側は15日の裁判で「公共汚水桝は委託した業者が位置を間違えて設置したもので、土地が山下市議のものと認めたものではない」と反論しました。

沼津市議会・山下富美子 議員:
沼津市は私への事実を捻じ曲げた主張を止め真実を語ってほしい。私を陥れるような主張は本当にやめてもらいたい

次回の裁判は3月25日に行われる予定です。

裁判の争点について

この裁判、そもそもの話として山下市議の貸し出した土地の所有権がどちらにあるのか争っています。

なぜ、こうした事態になっているのでしょうか?

まず、沼津市としてはこの土地は1991年に第三者から市が取得して以降は所有権は変わっていないと主張しています。

一方、山下市議は1993年頃、父親が市の用地買収に応じた際に代金の肩代わりとしてもらった土地と主張。当時の市の担当者による精算のためのメモを証拠として提出しています。

ー裁判所の判断のポイントは?

菊地幸夫 弁護士:
第1のポイントは所有権ですが、これは登記簿の情報が基本となります。登記簿上の所有者が沼津市となっているなら、市議が私の土地になったということを立証しなければならないが、ズバリ決め手と言える証拠は出て来ていませんから、この段階では沼津市の主張が通りそうです。

ところが、第2のポイントがあります。山下市議は一定期間、他人の土地を占有することでその所有権が認められる「時効取得」の対象になると主張しています。

ーこれについては?

菊地幸夫 弁護士:
これが、第2のポイントです。

時効取得制度は他人の土地を最長20年、公然と占有・管理し続ければ自分のものとなるという制度ですので、市議はこれに該当する可能性があります。

時効取得は管理を始めた時に遡って効力が発生するため、その間の賃料を市が返せと言っても返って来ません。

従って、第1のポイントで沼津市が勝っても、第2のポイントで形勢逆転となる可能性があります。

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