応急処置は“粘着テープ” 本当にこのままでいいの? “街のシンボル”を考える

2020年02月02日(日)

地域

遊歩道や公園など様々な場所にある屋外モニュメント。

待ち合わせの場所にしたり、観光客が写真を撮ったりと、地域のシンボルとなっているものもあります。
しかし、いまこうした屋外モニュメントの安全性をめぐって各地で問題が出ています。

静岡市清水区の幹線道路沿いに立つ、高さ12メートルの大鳥居。
1975年、道の増幅にあわせ、当時立っていた鳥居から現在のものへと建て直されました。

◆応急処置に粘着テープ・・・

それから45年。進んでいるのが老朽化です。
コンクリート片の落下を防ぐために張られていたのは、粘着テープ!
市が応急処置をしましたが、実はこの鳥居・・・。

◆所有者のわからない鳥居

静岡市土木事務所・鷺坂徳寿所長 「鳥居に草薙神社との額が掲げられているので草薙神社の所有じゃないのかと、関係されている氏子さん、総代さんなどに聞いたが、違うと。だれのものかわからないと」

2年前、所有者不明と発覚。
神社のものでも市のものでもありませんでした。

こうした中、去年7月、地元自治会や氏子総代会などが連名で、市に鳥居の撤去を要望しました。

有度地区連合自治会・花崎年員会長 「安全を考えたときに、残して欲しいという人がいても『あんた責任とれるの』となると、できないでしょ。そうなると安全のために撤去しなければならないなと」

ただ、市も簡単には撤去や建てかえができないようです。

静岡市土木事務所・鷺坂徳寿所長 「法律を整理していかなければならない、土地区画整理法や道路法など。本当にこれは所有者が不明だよと、明確な位置づけが出来てから動けるという状況です」

◆安全性を不安視する声が・・・

一方、所有者がわかっていても、問題が起きています。

漆畑晃太郎記者 「こちらは浜松市のモニュメントなんですが、身長180センチほどの私の約3倍はあろうかというほどの高さです。」

浜松市中区高丘葵(たかおかあおい)地区の歩道にある、石造りの7基のモニュメント。
22年前に市が、地域のシンボルとして設置しました。

しかし、去年6月、大阪北部地震で小学校のブロック塀が倒壊。
小学生の女の子が死亡しました。

浜松市市街地整備課・鈴木祥司課長 「大阪北部地震における、ブロック塀の倒壊による悲惨な事故を受けて、歩道内にある高丘のモニュメントについて撤去という形で調整に入りました」

市が建築士に、安全性の評価を依頼したところ「100%担保できない」との結果が。

周辺住民 「こどもたちの学校の通り道だと、やっぱり怖いかなと」

市はいったん撤去する方針を決めました。しかし・・・

市の担当者 「保存とか保全といった考え方をもたれていらっしゃる方もいましたので、市としましては統一的な見解を整理しながら、今後進めていきたいと至ったものでございます」

◆撤去を撤回した理由とは?

撤去の方針を撤回。
理由は、同じようなモニュメントが少なくとも市内に80基以上あること。

また、 屋外の巨大なモニュメントは、コンクリート製なら15メートル以下、その他の材質なら4メートル以下のものについては耐震基準がないため、撤去する理由を明確に示せなかったからです。

街の中にあるモニュメント。
専門家によるとその多くは、第2次世界大戦後に作られるようになりました。

静岡文化芸術大学・谷川真美教授 「日本も街づくりの一環として、美しい街とか文化的な意味で充実しているような人々の活動を考えると、街の中に文化的なにおいがするものがあるといいと」

◆世界共通の問題「撤去」か?「保存」か?

一方で、今回のような問題は様々なところで起きているといいます。

谷川教授 「80年代後半から(モニュメントが)増え始め、いまは大きな問題となっていて、世界共通の問題となっていて、撤去するのかあるいは安全な形で作り直すのか、それをつくった作家の方と話し合いながら違う形に変えていくのか、それに関わっている多くの人たちが一緒になって考えていく問題なのかなと思います」

街のシンボルと安全。
明確な基準がないなかで、どう折り合いをつけるのか。
行政だけでなく、そこに暮らす市民も考えていく必要がありそうです。

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