「昔の海に戻したい」シラス漁師のワカメづくり 静岡・田子の浦

2020年03月13日(金)

地域話題

豊かな海を取り戻したい。田子の浦のシラス漁師があらたな挑戦をしています。
きっかけとは、子供の頃に見た田子の浦の「豊かな海の記憶」でした。

2月23日。

生シラスで知られる静岡県富士市の田子の浦港では、ある海産物をPRするイベントが開かれました。

男性 「すごい、コリコリする、おいしい」

女性 「コリコリしてる、おいしい」

歯応えのある新鮮な“ ワカメ ”です。

ワカメといえば、岩手県や宮城県が有名ですが、熱海や静浦など県内でも戦後しばらくしてから養殖が始まりました。

そんな中、田子の浦港でも5年前から漁協の青壮年部が中心となり試験養殖を始めました。

田子の浦漁協・青壮年部 望月敏さん 「子供の頃、海で遊んでいたときに海藻や貝がテトラポットについていたり、生えてたりした。ただ、今、20年30年たった今、海を見ると貝、海藻がまったくいなくなってる。寂しいな、昔の海に戻したいという気持ち」

シラス漁師の望月敏さん。

ワカメ作りの発起人です。

望月さんは10年前からワカメ養殖の勉強を始め、ワカメの種が海に広がり、根付けば、生き物が集まり、再び海藻や貝が住む海になるのではと考えています。

試験養殖では、激しい波の影響が懸念されたものの、かえってそれが肉厚のワカメを作ることが分かりました。

さらに、ミネラル豊富な富士山の雪解け水が流れ込み、香りが良く歯ごたえのあるワカメの養殖に成功したのです。

去年、12月。

港にはワカメの種付けをする望月さんたちの姿がありました。

この若い葉がワカメの種が発芽して、少し成長したものです。

2月にはワカメの試食や販売を通じ、おいしさを知ってもらうイベント「ワカメ祭り」を計画。

祭りに向けて、種付けしたロープを沖合70メートルほどの場所に設置しました。

しかし、種付けから約1か月…

望月さん 「悲しいですよね。これじゃあね」

まさかの事態でした…

養殖のロープはほぼ全滅です。

「ワカメ祭り」に出すワカメを確保するために、船は沼津市の静浦漁港に向かいました。

知り合いの漁師からワカメを譲ってもらい、田子の浦に移植することにした望月さん。

望月さん 「ほんとに悩んだ、中止にしようかな、でもやりたいな。わがままだけではできないので、いろいろ考えた。1回目のイベント、1番最初ということで、止めてしまってはこの先できないのではないかという不安があって」

地元産のワカメは提供できませんが、養殖にチャレンジしていることは知ってほしいと考えました。

望月さん 「(ワカメを)提供してくれた静浦さんには感謝、感謝しかない」

それからワカメ祭りまでの間、望月さんは海の様子が気になってしかたありません。

望月さん 「しけの日は寝られない。(順調に育ってる?)育ってる」

そして、イベント当日…

無事ワカメをお客さんに振る舞うことができました。

来場者 「野菜のようにシャキシャキでおいしかった」

別の来場者 「とても新鮮で食感があって、おいしかった」

田子の浦漁協・青壮年部 望月敏さん 「海って終わりがないし、広い海なので、来年はどうなるかわからない、再来年もどうなるかわからないが、これを続けてがんばっていきたい」

子供の頃に見た海を、取り戻すために始めたワカメ作り。

これからも自然との闘いは続きます。

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