声の力で“つながる” 高校生が高齢者を「電話」で見守り 静岡

2021年03月05日(金)

地域

新型コロナの感染を恐れ、家に引きこもりがちになってしまう高齢者が増えています。

特に一人暮らしだと会話の機会もなくなり「孤独」に陥ってしまいます。

そこで高齢者のために立ち上がったのは地元の高校生たちでした。

菅総理大臣が12日指名した新たな大臣「孤立担当大臣」です。

坂本哲志 孤独・孤立担当大臣「長期にわたって続くものだと思って、しっかり取り組んでいきたい」

取り組むのは、長期化するコロナ禍で浮き彫りになった「孤独」や「孤立」の問題です。

静岡県裾野市の社会福祉協議会で高齢者向けイベントを行ってきた柏木宏介さん。

裾野市社会福祉協議会・柏木宏介主査 「外出自体を控える方が多くいて、閉じこもってしまうことによって虚弱になってしまうということがひとつ。もし自分がかかったらどうなるんだろうか、そういった不安からくる精神的なところがやっぱり心配です」

しかし、感染のリスクを考えると以前のようには交流イベントは開けません。

柏木宏介主査 「まさしくバス旅行は完全に密ですので、去年度も実施することができずに流してしまっていますし、何かできたらいいなということは感じていました」

そんな中、柏木さんにアイデアを提案したのは・・・

高校生たちでした。
 
県立裾野高校の2年生が中心となる有志のグループ「Ring(リング)」のメンバーが、放課後1人暮らしの高齢者を見守る「声のチカラ」プロジェクトです。

高齢女性「はーい、こんにちは」

高校生「こんにちは、裾野高校2年の横山です。最近どうですか?」

高齢女性「おかげ様で元気でね、自転車も乗らないで歩くようにしています。あなたの方も変わりない?」

高校生「そうですね。特に変わってはないですけど、最近テスト週間に入ってきて…(高齢女性:そうかそうか)なのでテストに向けて勉強しています」

高齢女性「がんばってよ~」

電話は1回5分程度。

高校生たちは学校で頑張っていることなどを、まるで自分のおばあちゃんと会話するように週に1回電話で話します。

横山大河さんは電話を始めてから半年ほどたちます。

裾野高校2年・横山大河さん 「どういう話題で話せばいいのか最初はすごい心配だったんですけど。最近は自分のこととか、『学校でどういうことあったの?』みたいな親みたいに気にしてくれる感じで…」

去年5月、最初にこの活動を提案したのは生徒会長だった山形千尋さんです。

きっかけは祖父が体調を崩したことでした。

裾野高校「Ring」・山形千尋さん 「その時に思ったのが、一緒にいてもおじいちゃんの体調の変化に気づけなかったのがすごく苦い思い出になっていて。自分のおじいちゃんの経験からやってみたいなって思いました」

山形さんから連絡をもらった社会福祉協議会の柏木さんは、すぐに市内の一人暮らしの高齢者と高校生との間を取り持ちました。

裾野市社会福祉協議会・柏木宏介主査 「来たなと思いましたね。1人暮らしの高齢者の体調が心配だと、純粋に相談に来てくれたことは本当にうれしく思いましたね」

横山さんと電話で話していた79歳の女性。

感染対策のため、滅多に外に出ない日が続いています。

子供や孫はほとんど東京に出てしまい、現在は1人暮らしです。

女性 「本当にね、孫に会えないのが寂しいものですからね」

この女性は「声の力」プロジェクトの話を聞いて、すぐに参加を決めました。

「はい、もしもし。あ、大河君?あなたは本当に素直でいい子だからさ、私の孫にしたいくらいだよ。じゃあまた楽しみに待ってるから、体だけは気を付けてね」

去年10月、電話で横山さんから体育祭のことを聞いたこの女性は、思い切って見に行くことにしました。

女性 「ちらっと見に行って入口で見てたんですけど。見ていたら(横山さんを)連れて来てくれて。まさか会うとは思ってなかったんですけどね。本当に楽しいし、私が力をもらっています。生きる力っていうのかな、何曜日に電話来るかな?って待っている楽しみ、元気もらっていますね」

「Ring」のメンバーは、電話よりも手紙での交流を好む高齢者とは月に1回、手紙を交換しています。

裾野高校「Ring」・原優希さん 「日頃、相手の方がしていることとか、俳句みたいなのを作ってらして、それを書いてくださったり」

ー高齢者からの手紙ー
今年は新型コロナで何もかも中止でしたが、優希さんのお便りで元気をもらいました。

ー別の高齢者からの手紙ー
優希さん、おたよりありがとう。うれしくってハガキを胸に押し当ててしまいました。

裾野高校「Ring」・原優希さん 「私自身話すのが苦手で、手紙だったら地域の人とたくさん関われるかなと思って」

高齢者を勇気づけるための「声の力」プロジェクトですが、励ます側の高校生にとっても貴重な機会となっています。

裾野高校・稲有子教諭 「SNSや、文字を打って相手に送るという文化の中で暮らしている子たちが、生の声で、人間の声に触れて、そこで色々な臨場感とか温かみを感じる経験は本当に貴重な効果だろうなと感じております」

高校生が手探りで始めた見守り活動。

勇気を出して踏み出した一歩が、高齢者の、そして自分たちの心も動かしていました。

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