リニアなぜ進まない 国交省のいら立ち「建設的な議論を」

2020年06月23日(火)

地域ビジネス(政治・経済)

リニア中央新幹線は2027年の開業に向けて赤信号が灯り始めています。
こう着する議論が続く県とJRに業を煮やしているのが、仲介役を務める国交省鉄道局の水嶋智局長です。水嶋局長が求めるのは「建設的な議論」。その真意は?

先週末、水嶋鉄道局長が静岡市で開いた会見で、県とJRに求めたのは…

国土交通省鉄道局・水嶋智局長
「事実に即した具体的、建設的な議論が行われていくことが大変重要であると」

長期化した成田空港の用地交渉にも携わった経歴を持つ水嶋局長。
困難な交渉をまとめる手腕を問われる立場にあり、両者への不満がにじみでます・・・

国土交通省鉄道局・水嶋智局長
「準備工事とか、本体工事とか、そういった言葉が乱れ飛んでおりますけど、JRは県に望む事柄を具体的にお示し頂き、県側はそれについて具体的な判断を示していただくと」

「準備工事」と「本体工事」。

JR東海・金子慎社長
「6月中に準備の了解が得られないと、2027年の開業は難しくなるということになりますので」

5月、JRの金子社長が知事に「準備工事」の再開を求めました。

金子社長が川勝知事にあてた文書。

『6月中にもヤード整備などの準備を再開する必要があります。つきましては準備を速やかに再開することについて、ご理解いただけるよう何卒お願い申し上げます』
 
しかし、これが招いたのは…

静岡県・川勝平太知事
「(Q6月中の準備工事の再開の同意は難しい?)その準備工事の定義がはっきりしてない」
「JRの言われる準備工事、私の準備工事、あるいは島田市長の言われる準備工事。それぞれ中身が違いますよね」

準備工事とは何か?

工事再開を求めた後も、JRからは県に具体的な説明はありませんでした。

ようやくJRが県に工事内容を示した時には、文書を送ってから20日以上が経っていました。

一方、水嶋局長は県の姿勢にも注文をつけました。

静岡県・川勝平太知事
「安全確保が最優先ですから、私はとりあえず作業道は完璧に準備していただくと」
「作業員の安全を確保してくださいと、つまり、林道、並びに作業道をやって(整備して)くださいと」

川勝知事は「工事再開」よりも「作業員の安全確保」とし、林道の整備が最優先と繰り返しています。

しかし、水嶋局長は、どういう法的権限で道の整備にまで口を出すのか明確に示してほしいと指摘しました。

国土交通省鉄道局・水嶋智局長
「どのような制度の枠組みや法的な根拠によって行われるものなのか、また、そのご判断にあたっての具体的な根拠や理由は何か」

水嶋局長の会見から3日後、県と流域市町が開いた会議では市町のトップからも法的な根拠を心配する声があがりました。

掛川市・松井三郎市長「県の権限でこの工事をストップさせるということができるのかどうかということ、その辺が私は少し心配になる点があります」

これに対して、県が示した法的根拠は・・・
 
静岡県・難波喬司副知事「こういう工事をやるときには、県と保全協定を結ばなければならない、となっていますんで」

5ヘクタールを超える土地を改変する工事は、県と事業者の間で「自然環境保全協定」を結ぶ必要があります。
JRはすでに4.9ヘクタールの工事を行っていて、さらなる準備工事をすれば5ヘクタールを超えることになります。

しかし、法的拘束力があるわけではありません。

静岡県・難波喬司副知事「ただ、これを無視して事業者が強引にやるということが不可能なわけではありませんが」

JRが川に関わる工事をする場合は河川法の許可を県から得る必要がありますが、今回の「準備工事」の範囲に川はありません。

国土交通省鉄道局・水嶋智局長
「それぞれの関係者の権限や責任について正しく理解をしたうえで議論を行う必要がある」

「建設的な議論」を求める国交省。

しかし、両者のすれ違いで開業の遅れは現実味を増しています。

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