【リニア・トップ会談】「私たちはトンネルは掘りません」(2)

2020年06月27日(土)

地域

◆つづいて南アルプスの工事をなぜ急ぐか説明

【JR・金子慎社長】
きょう持ってきたのはヤードの話ですが、その前になぜ南アルプス工区が注目されているのか、なぜ急ぐかお話したいと思います。
長いトンネルは制約要件を持ちます。地上で建てる構造物はいろいろな所から着工し、極端に言えば突貫工事、圧縮して仕上げることができますがトンネルの場合は片方から掘り出して目的地まで掘り進めるには1つしか道がないので時間がかかります。

西俣から掘り出して斜坑を掘っていくと長野側と山梨側に伸びるんですが、一番長いのが長野県側3.5キロと3キロあります。千石から掘っても3キロ弱。順調にいって月進100メートルと言われています。そうなると西俣から掘り始めると65カ月、5年5カ月かかることになります。千石から掘っても60カ月弱、5年近くかかることになります。

それができてからリニアの中のガイドウェイを作って最終的な試験をしなければなりません。それが2年ぐらい。足し算するとそれだけで西俣は7年5カ月。2027年の12月末まで7年6カ月。ぎりぎりなんですが、それに加えて斜坑を造る。ちょっとはみ出るぐらいで、でもなんとか途中工夫をして、いまならギリギリおさめていけるかというのが今の時期。

西俣の斜坑は途中までできていますのであと3カ月。千石は場所を決めただけなので、8カ月から9カ月ぐらいかかるのではないかと言われています。7年の7,8カ月になってしまうが、いま手をつければぎりぎりのタイミングということが一つ。

ぜひそれで斜坑を掘らせていただきたい。特に皆さんからお叱りを受けるのは、有識者会議を行っているうちにヤードを掘るのはおかしいじゃないか。あるいはそのままずるずるトンネルを掘りはじめるのではないか。西俣ヤードはご覧になっていると思いますが。

【川勝知事】
見ています。昨年の6月11日に行っております。

【金子社長】
ありがとうございます。だいぶ仕上がってまして・・・

【川勝知事】
いや、あとかたもないですよ。もう流されていますからね。

【金子社長】
私もこの間見てきましたが、赤い所は崩れているようになっていて、平面のこの辺りはできているんですけど。(図を示して知事に説明する)

【川勝知事】
そこに行く道が崩れてるじゃないですか。

【金子社長】
そうなんです。いまそこを月末までに直そうとやっています。

◆トンネルを掘らないと明言する金子社長

どこまでが準備工事でどこまでが本体工事と言う話があって、そうではなくて「トンネルを掘るのか掘らないのか」。ヤードと言う平面を造り、いくつかの土砂を入れるピットを造り、坑口については樹木をならしてそこに土盛りというか補強して崩れないようにする。そこまでやらせていただきたいと思っています。

一番の関心はトンネルを掘ると必ず水が出る、どう大井川に戻すんだと。トンネルを掘ると地下水に影響するだろうと、影響は小さいのか大きいのか。トンネルを掘るという事はそういう議論を整理しなくてはならないので私たちはトンネルは掘りません。工事責任者は私なので知事に申し上げるのですから、なし崩しで掘るということはありません。

ぜひ今のような事情でヤードの工事をお認めいただきたいというのが、きょうの趣旨です。

(二人の間に、お茶が差し入れられる)

繰り返しになりますが東海道新幹線のバイパスを急がなくてはならないというのが1つと。このプロジェクトに対して一緒に一生懸命にやっている沿線の人たちと足並みをそろえたい。もう一つは、これをやるとリニアは必ず大きな効果があると確信しています。

リニアができると静岡県は17駅中6駅ありますから「ひかり」をどう停めよう列車をどう増やそうと必ずメリットがあります。そういう議論はまた別の機会にさせてもらいますが・・・環境の問題、水の問題を忘れていないかと注意されてしまうんですが、それはしっかり取り組む。地元の県と共通認識のもとに進めなくてはならないと思っていますので、ぜひ・・・ベラベラしゃべりましたけど。


【川勝知事】
日本の大動脈を支えている最高責任者ですから、私どもも・・・

(金子社長がお茶に手を付ける)

これは大井川の水で作られた牧之原台地のお茶で、しかも今年は宮中に献上しました。そのお茶です。

【金子社長】
恐れ多くて飲んでいいのか。

【川勝知事】
牧之原の水はみな、大井川から得ているんですね。それの農業芸術品ですね。どうぞ!私もいただきます。(知事もお茶を手にとる)

まず社長さんの方から、水の問題をおろそかにしていないと聞いて大変力強い、安心しました。大井川は昔は越すに越されぬと言われていましたが、60万人の命の水となっています。しかし渇水がしょっちゅう起こりまして、2年前147日間の節水をお願いしています。平成7年ですと189日です。本当に木曽川や長良川に比べると小川のように少ない。

地下水は利用している事業所が430あります。1000本の井戸を掘っているんですね。その内の一つが伊勢志摩サミットで使われた磯自慢(日本酒)ですけど。その磯自慢がここにございます。そしてこちらにあるのが牧之原の今年の献上茶。きょうはお土産に。牧之原市長から心の結晶だと。磯自慢は1本10万円。プレミアがついて10万円以上するんですよ。そうしたものが豊かな地下水によってはぐくまれていると。

工事をして必ず(水を)戻す、失われた水は戻らないことは、丹奈トンネルの所
で芦ノ湖の水の3倍の量が失われたと言われていて、そこにあった水田や山葵田は枯れ今は牧草地帯になっているんです。そういう経験をしていると。大井川の場合はダムを作って「水返せ運動」になった。本当に静岡の人は大人しいのです。そういう大人しい方が筵旗をたててやったという経緯がございます。

トンネルをとるか、水をとるかと言ったら結果はわかっているので、この点についてはよほど注意してやっていかなくてはいけない。ただ社長さんが言うように東海道新幹線が開通し「富士山」「芸者」「桜」だったのが、「富士山」と「桜」吹雪の中を「新幹線」が疾駆すると。10日後にオリンピックが開催されましたから、世界に日本が技術の国だと知らしめた非常に重要なもので、これを抜きにして日本の経済は成り立たない。そうした中でリニア新幹線、私は乗りましたよ。(実験線への搭乗体験について語る知事)

私は基本的にこの計画には全面的に賛成で、ルートが決まった時には二軒小屋まで行き、そこからさらに500メートル上がって、どこを通るのかと。その土をどうするんだと、改めて泊りがけで行き、燕沢とかそういう所が残土置き場できると関係者に伝えたぐらいです。

私は2011年段階に不明ながら水の問題について知りませんでした。ですから今恥じ入っているんですが、リニアを反対しているわけではありません。同時に危機管理においても雨が降っても地下鉄ですからね、基本的に「空飛ぶ地下鉄!」(2人で笑う)

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