“新しい表現”を模索する~新型コロナ時代の大道芸・演劇は 静岡

2020年09月04日(金)

地域話題

7月、新宿区の劇場で大規模なクラスターが発生しましたが、劇団や大道芸人はいま新型コロナウイルスの影響で活動の制限を余儀なくされています。
新型コロナの時代に対応した新しい表現の方法を模索する、静岡県内の状況を取材しました。

大道芸人のジョー次さん、31歳。

もう4カ月間、大道芸の仕事をしていません。

これまでは毎週のように仕事の依頼がありましたが、今は、すべて新型コロナの影響でキャンセルになっています。

大道芸人・ジョー次さん 「本当に、この先どうなるか全然わからない状態です。(例年)8月はほぼ毎日仕事をしているといっても過言ではない。それぐらい忙しい時期だったが、今年は結構すかすかです」

ジョー次さんが会長を務める「しずおか大道芸のまちをつくる会」では、感染症対策のガイドラインを作っているものの、静岡県内でも感染者が再び出始め路上パフォーマンスの許可が下りません。

大道芸人・ジョー次さん 「だいぶ限られています。いま思い当たるのは1カ所だけ、商業施設ですけど、そこしかできる場所はないです。そこもガイドラインに沿ってマスクを付けたりお客さんとの距離離したりとか、そういうとこに気を付けてパフォーマンスする必要がある」

パフォーマンス中もマスクの着用が求められるため、マスクをつけて練習しますが・・・

夏の季節には厳しい条件です。

大道芸人・ジョー次さん 「(Qマスク付けながらやるのは大変ですか?)正直しんどいです。熱がこもってかなり熱くなるんで、熱中症とかがすごく心配です」

幸い、8月に2件の仕事の依頼が舞い込みました。

お客さんに安心してみてもらえるように、今できる努力を続けています。

一方、劇場は新型コロナの時代の新しい演劇を模索していました。

2月末から劇場を閉鎖している静岡県舞台芸術センターSPAC(スパック)。

SPAC俳優・貴島豪さん「谷崎潤一郎の『刺青』という…」

電話をかけているのは所属俳優の貴島豪さんです。

SPACは新しい表現方法として、6月から俳優が電話で物語を朗読する「でんわde名作劇場」を無料で始めました。

申し込みは1カ月で100件と大好評です。

「時々両国で催される刺青会では、参会者おのおの肌を叩いて互に奇抜な意匠を誇り合い、評しあった」(谷崎潤一郎『刺青』より 朗読:SPAC俳優・貴島豪さん)

「走れメロス」「蜘蛛の糸」など名作をリストから選んで、自分のためだけに読んでもらいます。

有料で俳優を指名することもできます。

利用者「舞台で見るという形と、こういう風に個人的に朗読をしてくださるというのは違った魅力がありますよね」

SPAC俳優・貴島豪さん 「本当はやっぱり、お客様がいっぱいになっているところで舞台に立ちたいというのが本音。電話ですけど、お客様が目の前にいるという感覚をすごく大事にして、舞台と同じように自分も熱をもってしっかりとお客様に届けることを心がけるようにしています」

ほかにもこんな活動をはじめました。

「SPACの一日放送委員~」(静岡サレジオ小学校)

感染防止のため、おしゃべりが禁止されている給食の時間。

特設のスタジオから朗読を届けます。

「いきなり周也から、ひょっと声をかけられてドキっとした。『あれ?周也、野球の練習は?』『今日はなし!監督急用だって』…」(森 絵都『帰り道』より 朗読:SPAC俳優・石井萠水さん)

小学生 「同じ人なのにいろいろな声を出せてすごい。友達としゃべるよりも楽しい」

SPAC俳優・石井萠水さん 「こういう時なので、逆に私達から劇場を飛び出してお客さんがいるところに行かせてもらう。感染症対策を徹底してやらせてもらってます」

そんな大道芸や演劇など文化活動を支援するために、県も「ふじのくに#エールアートプロジェクト」を立ち上げました。

県内で活動するプロのアーティストや文化施設などを対象に、感染対策に配慮したイベントを開く際、上限100万円まで助成します。

ふじのくに文化情報センター・平野雅彦センター長 「新しい活路を見い出す、新しい表現方法を見い出す、あるいは新しい発信方法を見い出す。そんな模索のために使ってもらえればと思います」

新型コロナで大きな打撃を受けた、俳優や大道芸人。

観客もいままでとは違うパフォーマンスや舞台を受け入れて楽しむことが、新型コロナの時代にも、文化を絶やさないことにつながりそうです。

(この記事は7月に取材しました)

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