“津波避難” 小学生が「逃げ地図」作り 避難路を目と足で確認する

2021年02月12日(金)

地域

東日本大震災以降沿岸部で大きな課題となっている「津波避難」ですが、学校現場でもさまざまな対策が進められています。

静岡県下田市で、小学生が避難場所までのルートや時間地域にどんな危険があるかを調べ、地図を完成させました。

「じゃあ、行こう」

「お願いします」

学校から住宅街へ出発していったのは下田市立朝日小学校の5年生です。

地図を手に、津波から避難する場所までの道順や地形、時間を確認します。

防災学習を支援・進士弘幸さん「もしあの狭い場所から(津波の)水が見えたらどうるする?こっち行ける?」

児童「もっと上に逃げる」

下田市立朝日小学校・中村淳子先生「ここポイントだよね。さらに上、さらに上にいけるか大事だよね」

海抜表示があるかどうか、坂の勾配、住宅の数などをチェックしながら高台にある避難場所を目指していきました。

朝日小学校には児童109人が通っています。

海からは山を挟んで1キロほどの距離にあり、海抜は約4メートル。

子供たちの多くが、海抜の低い地域から通学しています。

そして最大クラスの地震が起きた場合、学校には14、15分で最大8メートルから9メートルの津波が押し寄せると想定されています。

津波は、やってくる姿を見てから避難を始めては間に合いません。

加藤洋司記者 「10年前に目の当たりにした津波の脅威。東日本大震災は海の近くに暮らす人の生活、学校現場にも大きな課題を突き付けました」

学校現場で起きた最大の悲劇、それは宮城県石巻市の大川小学校で起きました。

津波からの避難が遅れた児童と教職員84人が命を落としました。

避難のため行動を始めたのは地震から47分後。

後の裁判の判決で、津波に関する情報収集や避難マニュアルなど備えが不十分だったとされました。

朝日小学校の児童には、全員に救命胴衣が支給されています。

イスにかけてあり、低学年の子供たちも使い方を覚えています。

海抜26メートルの裏山、多景山(たきょうやま)が避難場所に指定されていて、避難訓練も繰り返してきました。

それでもいざという時、的確な判断をできるか確信が持てません。

下田市立朝日小学校・佐藤知佐子校長 「とても重いです。自分が本当に判断しなくてはいけないと考えた時に、なかなかすぐに判断できることではないと思います」

多景山への避難路は下田市がコンクリートで整備しましたが、台風で木が倒れる被害が出ました。

地震の揺れでは大丈夫か、山に加え高台の住宅街にも避難できるよう自治会と調整しました。

また防災を学ぶキャンプや出前授業での講習も行い、子供たちも教職員も防災の知識を深め経験を積んできました。

取り組みの1つが「逃げ地図」作り。

6年前に始めました。

避難場所までかかる時間に加え、海抜の標識やブロック塀などプラス要素、マイナスの要素が一目でわかります。

今年の5年生も先輩たちのように地図を作成し、フィールドワークを通して自分の目と足で地域の実情を確かめました。

児童 「お年寄りとか高い場所は押してあげないと。時間がかかって津波が来ちゃう、危ないと思った」

別の児童 「お年寄りや小さい子を安心させたあげたい」

「道がせまい」

「海抜4.2メートル書いた?」

そして発見したことを書き込んで地図を完成させます。

下田市立朝日小学校・中村淳子先生「みんなの地図、完成しました。『逃げ地図』プラス、フィールドワークの成果です。それから他の活動で高まった意識もここに入っていると思います」

これまでは完成した地図を地域の人に発表していた子供たち。

今年、地元の人と交流できませんが、お父さんお母さんに成果を伝えます。

下田市立朝日小学校・中村淳子先生 「子供たちがしっかり学んだことを心の中に響かせている。子供が地域と家族の話題の中心になってくれたらいいなと思います」

下田市立朝日小学校・佐藤知佐子校長 「続けるというのは大きいなと思います。卒業生がやってきたことを自分たちも生かして勉強していくという気持ちでやっていることが、朝日小が力をつけてきた証拠ではないかと思います」

積み重ね続けてきた対策。

学校で引き継がれる防災の知識と行動力は、地域にとっても確かで頼りがいのある力になるはずです。

◆「逃げ地図」◆

ピンクの紙には避難場所の位置と合わせプラス要素が書かれています。

たとえば、「海抜が11メートル」「奥に行ける」などと書かれています。

黄色の紙は注意が必要なマイナス要素、「がけ崩れ危険」などと書かれています。

道路の色にも意味があり、緑色は避難場所へ3分以内でたどり着けそうな場所です。

黄色は最大9分程度かかりそうな場所で、緑色のところよりは注意が必要ということになります。

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