コメ不足解消へ…カギは“猛暑”対策 静岡県内で早くも田植えスタート 高温に強い品種の導入も進める

コメの価格が依然として高騰する中、静岡県内では今シーズンの田植えが始まりました。2024年の不作の原因となった猛暑に備えて農家も対策を進めています。

3月31日に静岡県袋井市で早くも始まったのは“田植え”。

コメの価格の高騰が続く中、秋の収穫に向けこの日はコシヒカリの苗を水田に植えていきました。

コメ農家の鈴木俊一さんは不作の要因とされる猛暑の影響を防ごうと様々な対策をしています。

以前は4月上旬に田植えをしていましたが、5年ほど前からは3月下旬に前倒しして猛暑になる前の収穫を目指しています。

品種もコシヒカリ以外に高温に強い品種の導入も進めています。

コメ農家・鈴木俊一さん:
異常なくらいの高温になってきているし、雨が降らない時は降らない、雨が続くとなると続いてしまう。20年前・30年前とは全然違ってきている

順調に育てば8月上旬には収穫を行い、8月中旬以降に店頭に並ぶといいます。

2025年も異常気象への不安は尽きませんが安定した収穫に向けて意気込みます。

コメ農家・鈴木俊一さん:
安定的な値段で消費者に届けてもらうことが一番だが、安心で安全なコメが消費者に渡って笑顔でコメを食べてもらうのが一番

一方で県内全体のコメの生産量は減少傾向にあります。

静岡県はコメの消費量の約4割を県内産、6割を県外産で賄っています。

静岡産のコメはほぼ100%県内で消費されていますが、生産量は2005年の9万5千500トンから2024年は6万9700トンと20年間で3割近く減っています。

需要に合わせて生産量を減らしたり、宅地化したりしていることが要因ですが、県は猛暑に対応した栽培方法の指導や暑さに強い品種の導入などによる収穫量のアップで危機を乗り越えようと考えています。

静岡県農産振興課・古川久美子さん:
面積をどんどん増やすよりは1つの田んぼあたりの収穫量を増やすように、2024年に被害があったので平年並みに戻せるように、いろいろな取り組みを組み合わせてやってもらいたいし、一緒に取り組む

農家や関係者が秋の収穫に向けて努力する日々が続きます。

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