4月9日に発動したアメリカの日本に対する24%の相互関税。日本経済への弊害が懸念される中、静岡県内では海外への輸出を推し進めていたお茶への影響が心配されています。お茶農家を取材しました。
やまま満寿多園・増田剛巳 社長:
これは早速18日にコンテナ積みされてアメリカに出荷されるお茶です。
やまま満寿多園では、35年前からアメリカへの輸出を始め海外市場拡大に力を入れています。
トランプ大統領の当選後、関税が課せられることを懸念し前倒しで出荷を進めてきました。
やまま満寿多園・増田剛巳 社長:
本来4月・5月分を少し前倒ししてコンテナを送ろうかという品物だったが、あまりにも早く関税が実施されてしまうので残念ながら着くときには関税がかかることになる
トランプ大統領:
アメリカでモノを作れば関税はゼロ。国外で製造し、国外の労働力を利用して我々のビジネスを傷つけ製品を輸入すれば代償を払わなければならない。
9日に発動したアメリカ・トランプ大統領の相互関税。
専門家は”最悪のシナリオ”と評価した上で茶の輸出への影響を指摘しています。
静岡経済研究所・恒友仁 専務理事:
お茶の行き所が結構アメリカの占める割合が多いというところで、ここもブレーキがかけられるような事態にもなりかねないというところがあります。
県の調査によりますと2023年までの5年間で茶の輸出額は2.5倍以上増加していて、輸出先として最も多いのがアメリカだといいます。
2025年2月、荒茶の生産量が鹿児島県に抜かれ、調査開始以来初めて全国1位の座から陥落した静岡県。
新年度予算に支援資金を盛り込み、海外への輸出にさらに力を注ごうとしていた矢先でした。
やまま満寿多園(御前崎市)は一般消費者向けの茶葉やティーバッグなどをアメリカをはじめ30カ国あまりに輸出しています。
やまま満寿多園・増田剛巳 社長:
当然アメリカでの販売価格に直に影響してくる。末端のお客さんがそれだけ高くなって今まで同様に買ってもらえるかが1つある。
他にも原材料をアメリカに輸出してティーバッグなどの商品に加工し、カナダやヨーロッパなどへ輸出する事業も展開していますが、今後は日本で加工したものを直接輸出することも検討しているといいます。
やまま満寿多園・増田剛巳 社長:
アメリカだけということになると多かれ少なかれ必ず影響が出るのが見えているので、できるだけ他の国もより強固にしながらそういったところへの輸出も増やしていかないと。そういったことも努力していきたい。
県内の茶業界にも大きな影響を及ぼす可能性のあるトランプ関税。
今後の戦略をどう立て直すのか先の見えない様相が強まっています。