流通はわずか0.3%…政府備蓄米は一体どこへ? 初回入札から1カ月あまり 米は史上最高値を更新し続ける

女性:
もうちょっと安くなってもらえるとありがたいんですけど…

女性:
日本はお米の国なのにもうちょっと安く買いたいですね

史上最高値を更新し続けている米の価格。

先週、農林水産省は驚きの数字を発表しました。

初回に落札された備蓄米のうち、スーパーなどの小売店や飲食店に流通したのはわずか0.3%ほどにとどまったというのです。

江藤拓 農林水産相:
(備蓄米の流通が)スムーズだという風に申し上げるつもりはありません

農水省によりますと、3月に行われた備蓄米の初回入札による放出分は約14万トン。

そのうち、JAなどの集荷業者が3月30日までに引き取ったのは全体の3%を下回る4071トン。

そこから卸業者に渡ったのは2761トン。

このうち、スーパーなどの小売店や飲食店などに渡ったのは461トンと備蓄米全体の0.3%ほどという計算に。

初回放出分の備蓄米は4月10日頃にも店頭に並ぶとされていましたが…

女性2人組:
(Q.備蓄米を見たことありますか?)ないかも…ないですね

男性:
(備蓄米を)出してるって言ってるんだけど見たことないです。どこ行っちゃったんだろう

静岡県内各地にスーパーを展開する企業Aに取材すると、4月初め頃から全ての店舗で備蓄米と表示せずに販売を始めたといいます。

企業A担当者:
売れ行きは好調です。なるべく多くのお客様に提供したいので毎日ではなく週に一度店頭に並べて、1家族1袋という制限をつけて販売しています

企業Aの店頭販売価格は全国平均より700円ほど安い約3500円(5キロ)。

5月下旬までの在庫は確保できているといいます。

同じく4月初めから備蓄米の販売を始めたというスーパーBは…

スーパーB担当者:
価格が安いので店頭に並べるとその日のうちにすべて売れてしまう。先週末ですべての在庫が無くなったが再び仕入れることができるか見通しは立っていない

スーパーCはわずか5袋しか仕入れることができず、海外産の米を入荷して販売せざるを得ない状況だといいます。

店頭に並び始めるとされた日からすでに10日以上経っているにもかかわらず、いまだほとんど見かけることのない備蓄米。

その理由について農水省は…

江藤拓 農林水産相:
3月・4月は特に人事異動の時期であったりとトラックの手配が難しかったりする部分があったのだと思います

一方、農水省は業者間で取引された米の価格が8カ月ぶりに値下がりしたと発表しました。

3月の米取引価格は60キロあたり2万5876円。

前の月より609円値下がりしていて、備蓄米の取引が始まったことが全体の価格を押し下げた一定の効果があったと評価しました。

4月末には2回目に落札された備蓄米が店頭に並ぶほか、新米が出回る7月まで毎月放出される備蓄米。

今後の米の価格については専門家でも意見が分かれています。

宮城大学・大泉一貫 名誉教授:
価格の高騰に影響しているのは不足感に基づく不安感ですから、それを解消しないことには米の価格は下がらない効果は限定的だということですね

宇都宮大学農学部・松平尚也 助教:
おそらく物流がもう少し改善してきていると思いますので消費者の方々に備蓄米が出回っていけば5月中に(5キロあたり)3800円~3900円くらいに落ち着いてくるのではと思います。

米の高値は続くのか。

それとも落ち着くのか。

政府は4月23日から3回目の備蓄米の入札を行います。

あなたへのおすすめ
あなたへのおすすめ