廃炉の現状は?内部の様子を公開 商業用原発として国内で初めて原子炉解体が進められる浜岡原発

商業用原発として国内で初めて原子炉の解体が進められている浜岡原発の1号機と2号機。4月22日に内部の様子が報道陣に公開されました。

齊藤力公 記者

齊藤力公 記者:
ご覧のように防護服に着替えて放射線管理区域に入ってきました。撮影機材もカメラとバッテリーなど必要最低限となっています

4月22日、報道陣に公開されたのは浜岡原子力発電所の放射線管理区域にある1号機・2号機の解体現場です。

いずれも廃炉作業が進められていて、進捗状況などが説明されました。

浜岡原発の3号機と4号機の再稼働を目指す中部電力。

国の新たな規制基準に適合しているかどうかの原子力規制委員会による審査が続いています。

原子炉本体(提供:中部電力)

一方、1号機と2号機は耐震補強などにかかる費用が大きいなどの理由から2009年に運転を停止し、廃炉作業に入っています。

これまでに核燃料の搬出や発電機など原子炉の周辺設備の解体や撤去が行われ、2025年3月には2号機で商業用の原発では国内で初めて原子炉本体の解体に着手しました。

中部電力の担当者:
運転中は原子炉圧力容器本体としてボルトで絞められており、原子炉の圧力に耐えて内部の物が外に漏れ出ない構造となっています

2号機の原子炉建屋では原子炉の上ぶた部分の解体工事が進められていて、22日は細かく切断する作業に入っていました。

堀正義 廃止措置専門部長

今後、原子炉内での解体に専用のロボットを使った遠隔での作業も予定される中、中部電力は作業の安全性を重視する姿勢を強調しています。

中部電力 浜岡原発・堀正義 廃止措置専門部長:
(国内夏の作業で)想定されない部分も場合によっては出てくるかもしれないが、これまでの経験をもとに知恵を出し合って、作業員の被ばくや住民の安全も含めて計画を立てて確実に進めていきたい

一方で廃炉により発生するとみられる約2万トンの放射性廃棄物の処分先はまだ未定で、決まるまでは敷地内で保管するということです。

浜岡原発の1号機と2号機はともに2036年度までに原子炉の解体を終え、建屋の撤去などを含め2042年度の廃炉完了を予定しているということです。

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