5月25日に行われた静岡県伊東市の市長選挙で初当選を果たした田久保眞紀さんが当選証書を受け取り、争点となった新しい図書館について「いまの計画は中止し、今後については市民と議論を尽くしたい」と話しました。
伊東市長選挙は開票の結果、元市議会議員で新人の田久保眞紀さんが1万4684票を獲得し、現職を1700票あまり上回り初当選を果たしました。
26日午後、選挙管理委員会から当選証書を受け取ると、田久保さんは「身の引き締まる思い。市民のための市政を実現したい」と述べ、新しい図書館は建設計画を中止した上で今後について検討する考えを示しました。
田久保眞紀さん:
新しい建物について私は中止と約束しましたが、図書館そのものの運営に関してはこれから皆さんと議論を尽くして、伊東市にどういう図書館、公共施設のあり方が正解なのかしっかり話し合いを持って進めていきたい
新図書館の完成予想図
選挙戦で争点となった図書館は建設から40年以上が経過した施設です。
市は新しい図書館に加え、カフェや交流スペースを備えた施設をつくる計画を進めてきました。
42億円あまりの事業費について、17億円は国の補助金を活用し、残りは借金でまかなう考えで、現職の小野さんは「子育て世代のため、市民の交流のためにも必要」と主張してきました。
一方、田久保さんは市民の生活が苦しい中、「本当に必要かどうか中止して見直すべき」と訴え、支持を広げてきました。
田久保眞紀さん:
それ(計画中止)を一番に掲げて当選しているので、これは市民との約束。ただ、実際の手続きに関してはこれから関係各所、専門家とも相談して、どのような手続きで進めていくのかが適正か、その過程についても市民の皆さんに丁寧に説明を心がけていきたい
新しい施設の建設をめぐっては2025年度の関連予算がすでに計上されているほか、6月5日に入札結果が示される予定で、今後の議会対応を含め田久保さんの手腕が注目されます。
田久保さんは5月29日、市長に就任予定です。