立川市で男2人が小学校の教室に侵入…西成区では校門のすぐそばで車が故意に児童をはねる　いま改めて問われる学校の安全・安心　子供たちに危険な思いをさせないために

小学生が被害に遭う事件や事故が尽きない中、いま改めて問われている学校の安全。子供たちが危険な思いをすることがないよう力を尽くすスクールガードリーダーの活動を取材した。

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子供たちにとって安全な場所であるはずの学校。

しかし、いまその安全が脅かされている。5月8日には東京都立川市の小学校で男2人が授業中の教室に侵入。

教師などを殴ったとして現行犯逮捕された。

また、大阪市西成区では小学校の校門近くで児童7人を車ではね、殺害しようとしたとして警察は28歳の男を逮捕。

この時、男を取り押さえたのは元警察官の学校支援員の男性だった。

静岡県袋井市の小学校で定期的な巡回や見守り活動を行う海野純さん（78）。

元々は警察官で、退職後の2006年からスクールガードリーダーを務めている。

袋井市スクールガードリーダー・海野純さん
校内でいろいろなことが起きているけれど、それだけは絶対に起こしてはいけないという思いがある。高校を卒業して警察官になったので、人生のほとんどが警察官。言ってみれば正義感に燃えていた

活動を始めた当初はほとんどの学校で外部からの浸入を簡単に許してしまう状況だったため、学校や教育委員会にフェンスの設置などを要望し実現。

各学校に出向いて防犯教室を開催しているほか、地域や学校、保護者が児童の安全確保について話し合う会議では、元警察官としての知識や経験を生かし必要な助言や指導を行っている。

浅羽東小学校PTA・鈴木信弘 会長：
いろいろな経験や必要なところを教えてもらってPTAとして培っていけたら

袋井市内にある12の小学校を毎月少なくとも1回は巡回するという海野さん。

この日は立川市の事件を受けて、各学校が定める不審者対応マニュアルの見直しについて意見を交わした。

袋井南小学校・藤下恵里 教頭：
“さすまた”がどこにあり、どうやって使っていくのか。誰が持って、子供の安全確保はどうしたらいいのかなど、ここには書かれていないので、細かいことも学校独自に載せていくのが良いのか

袋井市スクールガードリーダー・海野純さん
袋井北小は“さすまた”を学校建物の図に、置いてある位置を色分けしている

子供の命を守ることが一番の使命であり、実効性のあるマニュアルにするために時に厳しい指摘も…。

袋井市スクールガードリーダー・海野純さん
窓を閉めなければいけないとか、校内を巡回しなければいけないと書いてある。それは当たり前のこと。誰が回るのか？先生同士で「教頭がやるから良い」で終わってしまうかもしれない。管理者として他の職員への指導、事務員も含めてお願いしたい

学校が一丸となっての危機意識向上を呼びかける。

袋井南小学校・速水二葉 校長：
世の中でいろいろ子供にまつわる危険なことが起こっている中、学校内の人間だけではなかなか対応しきれないところがあるので、海野さんには助けてもらっている。私たちが気づかないこともいろいろ教えてくれるし、もちろん子供たちの安全も気にかけてくれるので本当にありがたい

袋井市スクールガードリーダー・海野純さん
ひとりでも多くの皆さんが、子供たちの安全を図るために協力が必要だと思っていて、本当に一助だが、私の力が及ぶところまでは必死になって頑張ってやっていきたい

子供たちが安心して学校生活を送れるように…。

いま改めてスクールガードリーダーの重要性が再認識されている。