【リニア】静岡工区の水問題に”終止符” 県とJR東海との対話が完了 ただ本体工事の着手時期はいまだ不透明なまま

リニア・静岡工区の着工に向け大きく前進です。リニアの工事による水資源への影響を議論する静岡県の専門部会が6月2日に開かれ、JRとの対話項目として残っていた課題が全て完了しました。

リニア工事による水資源への影響については県はJRに対して6項目の課題を示していて、これまでに4つの対話が完了しています。

8年にも及んだ水資源をめぐる議論。

2日に1つの節目を迎えました。

川勝平太 前知事(2017年):
基本的な考え方もないまま勝手にトンネルを掘りだすなということでございます。厳重に抗議を申し上げその姿勢に対して猛省を促したいと思っております

川勝平太 前知事のこの発言が発端に始まった水資源の問題。

川勝平太 前知事は工事により県外に流れ出る大井川の水すべてを戻すようJRに求めますが、議論は平行線をたどります。

その後、国が仲介する有識者会議や県の専門部会で対話が重ねられてきました。

鈴木櫻子 記者:
まもなく始まる専門部会では残る2つの項目が議論されます。JRの提案に委員から了解が出るのか注目されます

2日の会議では残る2つの項目、田代ダムの取水を抑制して大井川の水量を確保する田代ダム案についての不測の事態が発生した際の対応方法とモニタリングの実施場所などについて、いずれも了承されました。

平木省 副知事:
対話項目を1つ1つクリアにするという意味では今日の部会は大きな一歩だったと県としては考えている

JR東海静岡工事事務所・永長隆昭 所長
いま実行段階。これまで話してきたことをきちんとやっていくことが大事だと考えている。地域の皆様にも取り決めを理解いただけるよう今後も努めていきたい

8年に及んだ議論に区切りはついたものの、これで静岡工区の工事に着手できるわけではありません。

県がJRと対話が必要だとする項目は28項目。

そのうち水資源に関するのは6項目で、生態系への影響や工事で出た土の置き場など18項目の対話が残っています。

平木省 副知事:
工区着工は前提として28項目すべての対話終了することが重要。丁寧にスピード感を持ってだが、専門部会の先生方の専門的知見をしっかりJRに伝えて反映させていく。そういうプロセスは丁寧にきめ細かにやっていきたい

2035年以降とみられる品川-名古屋間のリニア開業。

しかし、静岡工区の着工に向けては課題が山積していて、いつになったら本体工事に着手できるのか、いまだ不透明なままです。

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