スパイスが置かれているサウナと“サ飯”のマーラータン
ここ数年、人気を集めている中華料理・マーラータンを食べたことがあるだろうか?静岡市の温浴施設では、このマーラータンを全身で楽しんでもらおうと料理に使うスパイスをサウナに取り入れている。
【動画】食べるだけでなく体で感じる楽しみ方とは…?若者中心にブームの”マーラータン”が驚きの進化!おうちでマーラータン・二瓶寛史さん
Z世代の若者を中心に近年ブームとなっている中国・四川省発祥のマーラータン。数種類のスパイスで作られたスープに野菜や肉といった具材を添えて食べる麺料理だ。
そのマーラータンの虜になり、自身が通う店の味を全国に届けようとマーラータンを冷凍にして販売する会社を立ち上げた二瓶寛史さん。
おうちでマーラータン・二瓶寛史さん:
ただおいしいだけではなく、健康のことも考えられたおいしさに自分は惹きつけられた
用宗みなと温泉
マーラータンの魅力を今までにない形で発信することができないかと模索する中、ひらめいたのがサウナだった。
その名も“頂マーラータンサウナ”。
おうちでマーラータン・二瓶寛史さん:
マーラータン=火鍋であり、“火鍋”に人が入ったらおもしろいと思ったことがきっかけ。全国で個人的に行ってみたいと思っていた温浴施設に私から電話してマーラータンの導入を相談した。2024年は本当に認知されていない食べ物だったが、その中でも真摯に話を聞いてくれたのが「用宗みなと温泉」だった
用宗みなと温泉・川畑忠仁さん
力を貸してくれたのは静岡市駿河区にある用宗みなと温泉。
担当者の川畑忠仁さんは二瓶さんの熱意に惚れたと振り返る。
用宗みなと温泉・川畑忠仁さん:
おもしろそうというところから、二瓶さんとすり合わせして「こういった形が良いのでは」というところで今実現してやっている
サウナに入る高本記者
高本圭市 記者:
サウナの中に入ってみます。柑橘とスパイスの香りがほどよくただよっています。普段と全く違うサウナを体験できそうで楽しみです
サウナ室にはトウガラシやカルダモンといった合計2kg分のスパイスが置かれていて血行促進やリフレッシュ効果などが期待できる。
用宗みなと温泉・川畑忠仁さん:
「香りが変わったね」「何しているの?」と(聞かれるので)「これやってます」という感じで、気づく人は気づいてくれる
来館者:
エスニックな匂いがした。爽やかな感じがして汗がいっぱい出た
“サ飯”マーラータン
サウナで汗をかいた後に楽しみたいのが水分やミネラルを補うための食事だ。
用宗みなと温泉の食堂ではいわゆる“サ飯”としてもちろんマーラータンを提供。
高本圭市 記者:
複雑なスパイスの味を感じられる上に、スープに“あご出汁”などを使っているということでとても食べやすく、おいしいです
この日、初めてマーラータンを食べたという男性は…
来館者:
マーラータンをSNSで見て食べてみたいなと思って来た。おいしくてリラックスできて、あまり静岡で食べられないから来てよかった
マーラータンに合うメニュー
また、こちらのマーラータンを通じて取り組んでいるのが食品ロスの削減だ。
おうちでマーラータン・二瓶寛史さん:
すでにメニューとして扱っている食材の中からマーラータンに合うものを使ってもらうことで新しく注文して、注文した食材が無駄になることなく取り扱ってもらっている。
施設にある余った食材を活用できるというところでフードロス削減にもつながるので、そういった背景もありサステナブルな食の選択肢としてもっと広げていきたい
用宗みなと温泉・川畑忠仁さん:
数字は取っていないが体感としては(廃棄量が)半分以下になった。朝の仕込みも出庫数を見て調整しているので(廃棄が)少なくなってきた
マーラータンはいまただおいしく食べるというだけでなく体全体で“感じる”料理になるとともにSDGsの時代に資する食べ物へと進化を遂げているようだ。