静岡地裁浜松支部
袋井市に住む中国籍の男子高校生に暴行を加えてケガをさせた上、車のトランク中に監禁し、浜名湖に投げ捨て溺死させた罪に問われている22歳の男の裁判員裁判で、静岡地裁浜松支部は懲役17年の実刑判決を言い渡しました。
年下からの“タメ口”に激高 凄惨かつ残虐のリンチの上に監禁…そして湖に投げ捨て殺害 22歳男の弁護側は「殺意のグラデーションの中では最も淡い」と懲役8年を主張 被害者の母親は「殺してやりたい」と吐露傷害・監禁・殺人の罪で起訴されているのは浜松市に住む無職の男(22)で、2024年2月、フィリピン国籍の男(当時18)と共謀し袋井市に住む中国籍の男子高校生(当時18)に暴行を加えてケガをさせた上、車のトランク内に監禁し、浜名湖に投げ捨て溺死させた罪に問われています。
これまでの裁判で、事件に至ったきっかけは知人宅で男子高校生を含む8人で酒を飲んでいた際、男子高校生が年上である共犯の男に敬語を使わずに話しかけ、注意されたにも関わらず、その後も“タメ口”で話し続けたことから共犯の男が怒りを増幅させたことだったと明らかにされていて、その後、男子高校生がその場にいた男の知人と口論になり、止めに入った女性を倒したことから共犯の男が男子高校生に暴行を加え、男も加勢するに至ったということです。
犯行は苛烈を極め、男子高校生の額や目が大きく腫れ、顔が血だらけになるなど多数回にわたる激しい暴行で、途中から昏睡に近い状態で抵抗もガードもできなくなった状態でもなお手を緩めることなく、2人がかりで一方的かつ執拗に手を下していました。
暴行は男子高校生が謝った後も続いたと見られています。
こうした中、地裁浜松支部の来司直美 裁判長は6月13日、男に懲役17年(求刑:懲役18年)の実刑判決を言い渡しました。
来司裁判長は「意識障害に陥るほどの暴行を加えて上で川に転落させる殺害方法は残酷で極めて悪質」と指摘した一方、求刑を1年下回る判決とした理由について罪を認め反省の弁を述べていることを挙げています。