年下の“タメ口”に怒り増幅させ壮絶リンチ 謝ってもなお暴行加え瀕死状態の高校生を冬の湖に突き落とし殺害 懲役17年判決受けた22歳男が控訴 弁護側は「殺意のグラデーションの中では最も淡い」と裁判で主張

遺体の発見現場付近を調べる県警の捜査員(2024年2月)

袋井市に住む中国籍の男子高校生に暴行を加えてケガをさせた上、車のトランク中に監禁し、浜名湖に投げ捨て溺死させた罪に問われ、懲役17年の実刑判決を受けた22歳の男が判決を不服として控訴したことがわかりました。

浜松市に住む無職の男(22)は、2024年2月、フィリピン国籍の男(19)と共謀し袋井市に住む中国籍の男子高校生(当時17)に暴行を加えてケガをさせた上、車のトランク内に監禁し、浜名湖に投げ捨て溺死させたとして、6月13日に懲役17年の実刑判決を言い渡されました。

公判の中で、事件のきっかけは男子高校生の“タメ口”だったことが明らかにされていて、知人宅にて8人で酒を飲んでいた際、男子高校生が年上である共犯の男に敬語を使わずに話しかけ、注意されたにも関わらず、その後も敬語を使わなかったことから共犯の男が怒りを増幅させ、その後、男子高校生がその場にいた被告の知人と口論になり、止めに入った女性を倒したことから共犯の男が男子高校生に暴行を加え、被告も加勢するに至ったということです。

犯行は苛烈を極め、男子高校生の額や目が大きく腫れ、顔が血だらけになるなど多数回にわたる激しい暴行で、途中から昏睡に近い状態で抵抗もガードもできなくなった状態でもなお手を緩めることなく、2人がかりで一方的かつ執拗に手を下していました。

暴行は男子高校生が謝った後も続いたと見られ、地裁浜松支部の来司直美 裁判長は6月13日の判決公判の中で、「強度の暴行、危険な態様による監禁及び残酷な殺害方法に鑑みれば、各犯行態様は総じて極めて悪質。湖面に男子高校生を落としたら死亡することを確実に認識しながら落としており、殺意の程度は強い」と指摘しています。

謝罪されても激しい暴行を繰り返し…きっかけは年下からの“タメ口” 執拗で苛烈なリンチの末に瀕死状態の高校生を湖に落とし殺害 22歳男に懲役17年判決 「身勝手な思いから自分の意思で判断し犯行に及んだ」

こうした中、被告が判決を不服として6月16日付で東京高裁に控訴したことがわかりました。

一審で弁護側は「『友人を失いたくない』という思いから暴行を加え始めた。自ら進んで暴行を初めておらず、被害者のケガのほとんどは共犯の男による暴行が直接的な原因。最後の一線を越えないよう止めていた。すべて受け身の姿勢だった。湖に落とすことに対しても『それはダメ』と発言している。主導的ではない上に重要な役割も果たしていない。強固で積極的な殺意はなく、計画的な犯行でもない。殺意のグラデーションの中では最も淡い」などと主張し、懲役8年が妥当と訴えていました。

あなたへのおすすめ
あなたへのおすすめ