学歴詐称問題で市政混乱 田久保市長は百条委の出頭要請を”拒否” 変遷する発言 市民も呆れや愚痴を抑えきれず懸念される観光への影響

続いては様々な出来事の背景を見つめるヒモトクのコーナー。市長の学歴詐称問題で混迷を極める静岡県伊東市政。懸念されるのは主要産業である観光への影響です。

「卒業生の有志がそれらしい体裁で作ったもの」学歴詐称の田久保市長が提出を拒否した疑惑の“卒業証書”めぐり新たな告発文 市議会が公文書に指定 百条委で取り扱うかは未定

伊東市民:
恥ずかしいな~伊東市。いろいろ熱海は盛り上がっているでしょ?だから残念だなと思って

伊東市民:
正直に言ってまた最初からやり直してほしい

伊東市民:
みっともない。早く本人に自覚してもらい、早く結論を出すべき。要するに早く辞めてもらいたい

カメラを向けると呆れや愚痴を抑えきれない伊東市民。

その理由はもちろん連日ニュースを騒がせているあの話題。

伊東市・田久保眞紀 市長(7月7日):
結論から申し上げると東洋大学を卒業していなかった。大学の記録においては除籍になっている

混迷を極める伊東市の今をヒモトクと…

伊東市・田久保眞紀 市長:
これは選挙の革命。伊東の革命なんです

2025年5月。

現職との一騎打ちを制し、初当選した伊東市の田久保眞紀 市長。

しかし、喜びも束の間…

届いた告発文:
東洋大学卒ってなんだ!彼女は中退どころか、私は除籍であったと記憶している

市議会議員全員に対して届いた1通の告発文により、学歴の詐称疑惑が浮上しました。

伊東市議会・杉本一彦 議員(6月24日):
あなたの言葉で言ってほしい。あなたの言葉で聞きたい。東洋大学法学部平成4年3月卒業していますね?

伊東市・田久保眞紀 市長(6月24日):
この件に関してはすべて代理人弁護士に任せていて、あとのことは弁護人から公式に発言のない限り私の個人的な発言は控える

当初は“卒業証書”とされる資料を市議会の正副議長に見せるなど、告発文を“怪文書”と決めつけ強気な姿勢を見せていた田久保市長。

伊東市・田久保眞紀 市長(6月26日):
(Q.どんな資料を用意する?)前に見せたような卒業アルバム・証書、そういった形になるが、とりあえず手元にあるものはそういう風にしていこうかなと思う

ところが…。

伊東市・田久保眞紀 市長(7月2日):
卒業は確認できなかった。除籍であるとその場で判明した

疑惑の“卒業証書”については本物だと思っていると主張する一方、2回開いた会見の場に持参することはありませんでした。

伊東市・田久保眞紀 市長(7月7日):
言葉を重ねて「本当に本物」と言ったところで確かな裏付けもないのできちんと検察に提出して捜査してもらうことにした

さらに、一連の問題に関わる事務手続きについて調べる市議会の百条委員会では、田久保市長が証書の複写を拒んでいたことが明らかに。

百条委員会・重岡秀子 委員:
コピーを取ろうとしたら市長から「やめてほしい」と言われたという経過でよいか?

伊東市秘書広報課・山下明子 課長:
ちゃんと見たという証拠を残すため「コピーをさせてもらえないか」という相談はしたが、今までのやり方等も踏まえて「そこまで必要ないでしょ」という話だったので「それは結構です」という話をしました。

このため…

百条委員会・井戸清司 委員長:
市長の卒業証書とされる書類について伊東市長・田久保眞紀 氏に対し、7月18日午後4時までに記録提出を求めていくこととしたい。これに異議ありませんか?

一同:
なし

迎えた7月18日。

議長などと面会する田久保市長の手に握られていたのは1通の茶封筒です。

伊東市・田久保眞紀 市長:
きょう提出期限となったので回答書を提出させてもらう

伊東市議会・中島弘道 議長:
これは請求していた卒業証書ではないのでは?

伊東市・田久保眞紀 市長:
開封して中身の確認をお願いします

伊東市議会・中村弘道 議長:
いま(封筒を)開けさせてもらって…ちょっと待ってください!開封して良いですか?

伊東市・田久保眞紀 市長:
どうぞ

田久保市長の答えは“卒業証書”の提出拒否でした。

伊東市・田久保眞紀 市長:
提出の拒否は日本国憲法第38条第1項及び自己に不利益な供述を強要されない権利に基づき拒否させてもらった。これは百条委員会の地方自治法第100条3項にいう正当な理由に値すると考えている

これを受け、百条委員会側は田久保市長に出頭を要請。

証人尋問を行いたい考えでしたが、こちらも市長が拒否しました。

伊東市は言わずと知れた海と観光の街。

人口の約8割が観光業に従事していると推計される観光業。

夏はまさに書き入れ時のシーズンです。

伊東観光協会・村田充康 専務:
何本かお電話で「夏のイベント大丈夫?」というそういうお電話もあったけれど、我々の方としては、その件はその件として、「イベントは全部予定通り行う」とお客さんにお伝えたところ「頑張ってくれよ」と言われたこともある

宿泊施設も今のところ大きな影響を受けていないと言いますが、これだけ騒動が大きくなったいま、伊東へと足を運びたいと思う人が減ってしまうのではないかと不安を抱えています。

伊東温泉旅館ホテル協同組合・磯川義幸 専務:
心配はしていたが、今のところ旅館・ホテルからはキャンセルが出たという声は上がっていない。これだけ全国にこういったものが発信されると観光地としてイメージ的には良くないので、これからどういった影響があるのかちょっと心配されるところ

田久保市長の学歴詐称問題が浮上して以来、悪い意味で注目を浴びてしまっている伊東市。

市民が願っているのは1日も早い市政の安定です。

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