永井学 解説委員:
静岡県の危機管理センターです。県では50人態勢でライフラインの情報収集にあたっています
7月30日午前8時37分、気象庁は北海道から和歌山県にかけての太平洋沿岸に津波注意報を発表しました。
静岡県内には午前11時半頃、最大1mの津波が到達すると予想。
午前8時25分頃にロシアのカムチャツカ半島沖で発生したマグニチュード8.8の地震による影響です。
県は50人の情報収集体制にはいり、午前9時過ぎには沿岸のすべての市と町で情報収集体制が整いました。
下田市・同報無線:
津波警報が発表されました。津波の到達が予想されています
午前9時40分、注意報から警報に切り替えられ、静岡県内には最大3mの津波が到達すると予想。
県は120人の警戒態勢に入りました。
静岡県・酒井浩行 危機管理監:
地震の揺れを感じなかったのでしっかり情報収集してもらい、突然津波が来ることが想定されるので注意してもらいたい
清水港では沖に向けて船が出ていく様子や高台に避難する人の姿が確認できました。
津波の浸水区域に位置するエスパルスドリームプラザは営業を中止に。
鈴木衣緒里 記者:
JR東海道線では津波警報が発表された影響で現在も県内全線で運休が続いています。JR静岡駅構内は多くの客で混雑していて、中には座り込んで運転再開を待つ客の姿も見られます。
JR東海は豊橋-熱海までの上下線、県内すべての区間でJR東海道線の運転を見合わせました。
利用客:
券売機を見たら出ない。きょうは上下線動いていないと。どうしようかなと
利用客:
東京から来ているが東海道線で客のところ行く予定が行けなくなってしまったので、このまま新幹線で(東京に)帰る
また、国道や県道でも一部区間が通行止めに。
フェリーも欠航になりました。
弦間彩華アナウンサー:
静岡市上空です。用宗漁港には船が集まってきています。また、津波避難タワー最上階には避難してきたとみられる人の姿があります。
牧之原市静波海水浴場の上空です。波は白波を立てて押し寄せては引いてを繰り返しています。海水浴客サーファーの姿はありません。
沼津市の沼津港上空です。現在20隻ほどの船舶が港にとまっています。また、津波警報の発表を受けて水門は閉鎖されています。
村田彬 記者:
沼津市内のコミュニティセンターです。こちらには現在避難所が開設され、中には近くに住む人たちが集まってきています
津波警報の発表を受け、沿岸部の市と町では避難指示を発令。
午後4時現在、115カ所で避難所を開設しています。
避難した人:
テレビで最初注意報が出てのんびりしていましたが警報に変わったので、身の回りの物を持てる物だけ持ってこちらに避難してきました
避難した人:
何かあってからでは遅いのでとりあえず避難しておこうと
30日は熱中症警戒アラートも発表されていた県内。
避難所でもエアコンをつけるなど、体調管理に注意していました。
伊東市ではエアコンの効いた市役所の会議室を開放し、避難者を受け入れました。
また、沼津市の中学校では部活中だった生徒が待機することに。
一時避難場所の体育館は空調設備がないため、教室で保護者の迎えを待ちました。
保護者:
職場から来たため時間がかかってしまったので、近場にいる祖母などに迎えに行ってもらった方が安心かなと親として思ったので、そのあたりはもう1回家族で話し合いをしたほうがいいかなと思いました
津波警報の影響はさまざまなところに。
地裁沼津支部は1件の判決のみ実施し、それ以外に予定していた公判はすべて取り消しにしています。
行事やイベントの中止も相次ぎました。
気象庁によりますと、これまでに御前崎市や伊東市、それに下田市などで津波を観測。
気象庁は今後さらに高い津波が観測される可能性もあり、海に近づかないよう呼びかけています。
気象庁・清本真司 地震津波対策企画官:
いろんなところで津波が反射したり屈折したりしてくるので、必ずしも第1波が高いわけではなく第2波・第3波、後ろのほうで高くなることも考えられる。暑いなか申し訳ないが、津波警報等が解除されるまで安全な場所にいてもらい、決して沿岸の方へ行かないでほしい
県内をはじめ太平洋沿岸部に発表されている津波警報。
引き続き警戒が必要です。
追記:静岡県内に発表されていた津波警報は30日午後6時半に津波注意報に切り替えられました。また気象庁によりますと、午後8時までに下田港で50cm、南伊豆町手石港で40cm、沼津市内浦・焼津・御前崎で30cm、伊東で20cmの津波を観測しています。