信号機撤去の様子・信号機が撤去された交差点
交通安全の確保や交通の流れを円滑にすることを目的に設置されている信号機。ただ、この信号機にある変化が起きている。
【動画】信号機に”変化” 安全確保や交通の流れの円滑化を目的に設置も全国で撤去相次ぐ 背景には老朽化信号機の撤去についてインタビュー
実は今、全国各地で進んでいる信号機の撤去。
男性:
手押し信号がなくなってきたのはあるかも。歩行者がいれば止まる。赤信号と一緒。そうした風潮が浸透してきたのでは?
男性:
メンテナンスが大変なのでは?
男性:
もう寿命じゃないの?
交通事故を防ぐために無くてはならない信号機がなぜ減っているのか?
さび付いていている沼津市内の信号機
19年と言われる耐用年数を大きく超えて運用されていた沼津市内の信号機。
青や赤に光る部分の一部が欠け、その下を見てみるとかなりさび付いているのがわかる。
このように信号機や信号柱の老朽化を主な原因として、全国では2024年度、600を超える信号機が撤去された。
倒壊した信号柱
信号機の老朽化は県内でも深刻な事態となっている。
県警交通規制課・奥野仁 次席:
県内には信号柱が約2万6000本あるが、耐用年数を超えているものが約4割というのが現状。現在、大量の更新期を迎えていて老朽化に更新が追い付いていない
齊藤力公 記者(2024年7月):
あちらのトラックの上に載っている電柱が根元から折れたということです
信号柱の老朽化が進めば言うまでもなく倒壊のリスクが高まる。
全国では直近5年間で11基が倒壊していて、このうち2基は県内に設置された信号機だった。
県警交通規制課・奥野仁 次席:
本来、県民を交通事故から守る信号機などが県民の生命財産を脅かしかねない状態。必要性が低下した信号機などを減少させていくことで持続可能な交通規制を強力に進めている
信号機が設置されていた牧之原市の交差点
福島流星 記者:
牧之原市の交差点には数年前まで車両用、そして歩行者用の信号機が設置されていましたが、撤去されていて今は何もありません
市道と国道150号が交わるこちらの交差点。2023年に信号機が撤去されたが、そこには老朽化以外の理由もある。
牧之原市地頭方区・山下裕彦 区長:
交通量が少ないということと維持費がかかる
信号機を新しくするためにかかる費用は1基あたり数百万円。
更新は各都道府県警の予算で行われることから、古くなった信号機のすべてを新しくすることは出来ないのが現実だ。
牧之原市地頭方区・山下裕彦 区長
このため、県警では過疎化などを理由に交通量が減っている交差点について、信号機を撤去した上で一時停止の標識を設置するなどの対応をしている。
牧之原市地頭方区・山下裕彦 区長:
待ち時間もなく、個人的にもよく使うようになった。地区の住民からも信号機が無くなったことによる不満の声は聞こえてきません
県警によれば不要な信号機を撤去することで、交通の流れがスムーズになる効果も期待でされるという。
信号機が撤去された交差点を走行する記者
そこで、実際に車を運転して交差点に入ってみると…
福島流星 記者:
国道150号で車のスピードは早いのですが、交通量は多くないので合流するのはそれほど難しくないと感じました
実際にこちらの交差点では信号を撤去して以降、事故は起きていないという。
県警交通規制課・奥野仁 次席
県警交通規制課・奥野仁 次席:
一律に全部変えるというわけではなく、実際の道路を利用する車や歩行者の道路利用状況、交通情勢をよく分析し慎重に判断して、必要性が低下している信号機であれば廃止する。県警交通規制課が目指すべきところは将来の世代に安全安心な交通環境を引き継ぐこと
老朽化に伴う思わぬトラブルを未然に防ぐことはもちろん、限られた財源の中で交通事故や渋滞を減らすために…各地で信号機の撤去が進められている。