台風15号に伴う突風によって静岡県吉田町で車が横転し、男性が死亡していたことがわかりました。9月9日も厳しい暑さとなる中、被害の大きかった牧之原市などでは懸命の復旧作業が続けられています。
切れた電線の撤去をする人たち(牧之原市内)
吉田町によりますと、台風15号が襲った9月5日の午後1時頃、同町神戸の商業施設で突風によって車が横転し、藤枝市に住む50代の男性が死亡しました。
また、牧之原市と吉田町を襲った竜巻について気象庁は「国内最大級の強さだった」と発表しました。
牧之原市のケガ人は68人、建物被害は1274棟に上っています。
高本圭市 記者:
国内最大級の竜巻が襲ってからきょうで4日です。住民は暑さと戦いながらきょうも後片付けに追われています
9日も30℃を超える厳しい暑さの中、道路では切れた電線の撤去が行われ、住民たちは使えなくなった家財道具の片付けなどを進めていました。
夫婦で暮らしているという70代の女性の家は中に入り込んだ風によってガラスが砕け散り、壁やコンセント、雨戸などに大きな被害を受けました。
自宅に電気がつかない住民(牧之原市内)
8日、中部電力が「全地域で停電が解消された」と発表していましたが…。
住民の女性:
(Q.4日目ですが困っていることは?)電気。おかげさまで水は出ているので、それだけでもありがたいけれど、お風呂に入れない
家の外にも中にも被害を受けた住宅。
引き込み線や配電盤など、どこかに不具合があるのか電気はつきません。
住民の女性:
期待外れ。本当に期待して帰ってきたのですが、残念でした
電線の工事は完了したものの電気がつかない家庭もあり、中部電力は被災者に対し「電気を使えなかった期間の基本料金の割引」や「料金の支払い期日の延長」といった措置を取っています。
片づけを手伝う女性(牧之原市内)
県内は10日の午後から天気が崩れる見込みで、外での作業、屋根の応急処置などが急がれます。
地域に会社があり被災者のため手伝いをしている女性は…。
片づけを手伝う女性:
牧之原市がこんな風になっていると全国の皆さんに知ってもらい、少しでも支援してもらえれば、市に何かしてもらえれば少しでも良いので。だんだん復旧復興していくと思う
困っている地域の力になりたい、そんな思いが広がっています。
営業再開したカフェ店内
牧之原市細江にあるカフェレストランは竜巻による建物の被害は免れました。
ただ停電によって多くの食材が使えなくなりました。
できる範囲で食事をつくり炊き出しを行ったあと、メニューを限定して9日営業を再開させました。
CACHECACHEオーナー・神崎繭子さん:
被害の状況を見ると営業をためらう部分もあるが、少しでも休める場所として利用してもらえたらという思いも含め、本日から再開という形を取っています