アサヒグループHDのシステム障害。発生から1週間以上が経っていますが、いまだ復旧のめどは立っておらず、その影響は静岡県内でも広がっています。
静岡市葵区の大衆酒場・かぶら屋。
店のメニューを見ると生ビールに「アサヒスーパドライ」と書かれていますが、10月6日、提供されていたのは「サッポロ」でした。
9月29日にサイバー攻撃を受け、システム障害が発生した飲料大手のアサヒグループHD。
グループのアサヒビールやアサヒ飲料などの飲み物や食品で国内の受注や出荷が全て止まり、生産もストップしていました。
10月2日にはアサヒビールの全6工場などで部分的に操業を再開したと発表。
ただ、システム障害の復旧のめどは立っていません。
全国に約60店舗を構える居酒屋チェーン・かぶら屋。
店の雰囲気やメニューに一番合うとスーパードライを提供してきましたが、6日、営業前に行っていたのはビールサーバーにつなぐ樽の入れ替えです。
かぶら屋 静岡紺屋町店・伊久美友彦さん:
最後です。これで終わりです。アサヒを楽しみにして来ている人が多かったから、まだ反応をうかがえるところではないけど、どうなのかなと
6日はサッポロの黒ラベルを提供していました。
利用客の反応は…。
利用客:
厳しいですね。スーパードライおいしいから
利用客:
我慢しています
利用客:
アサヒが好きな人はいろいろあるんじゃないか。(Q.お父さんは?)全然大丈夫。(Q.飲めれば?)飲めれば!
飲食業界で広がっているアサヒビールからの切り替えの動き。
こうした中、サッポロやサントリーは一部の商品の出荷を調整しているほか、キリンは9日の出荷分から制限する予定です。
この店では多い日には90杯以上の注文がある生ビール。
今後への不安も募ります。
かぶら屋 静岡紺屋町店・伊久美友彦さん:
(ビールは)なくてはならない生命線。サッポロの在庫も切れたら次はサントリーなのかみたいになっていくのではないかと。生樽自体がほしいところに供給されなくなる可能性もあるのでは
システム障害の影響はスーパーにも…。
静岡市駿河区の田子重ではアサヒグループの飲み物が品薄になっています。
田子重 下川原店・赤坂真彦 店長:
(Q.空いているがどういう状態?)空いてしまっているところはアサヒの商品で、ここはカルピスの商品で入荷が止まってしまっていて売り場が空いてしまっているという状態
カルピスや三ツ矢サイダーなど人気商品5品が欠品に。
他の商品も店にある在庫のみで、田子重全体ではアサヒ飲料の20品目で入荷が止まっているということです。
さらに…。
田子重 下川原店・赤坂真彦 店長:
こちらのスーパードライは5日の日曜日にスポット品として入荷した分になるが、この在庫が尽きてしまった後は入荷の予定は未定
アサヒビールの主力商品・スーパードライ。
現在はまだ店に並んでいますが、在庫が尽きるのも時間の問題です。
田子重 下川原店・赤坂真彦 店長:
(Q.量はどう?)少ないかなと。すぐに無くなってしまいそうな数量
田子重全体のアルコール飲料のなかでも売り上げ1位だというスーパードライ。
今後、入荷が追い付かなければ大きな打撃を受ける可能性があります。
田子重 下川原店・赤坂真彦 店長:
やはり一番人気のある商品なので、棚から商品が無くなってしまえば売り上げが下がってしまう
店では売り場の空白をなくすため、レイアウトを変えるなどしていくということです。
いまだシステム障害の復旧のめどは立っておらず、その影響が広がっています。