安全性は誰が保証するのか?原発に頼る街の今後は? 東日本大震災から15年 岐路に立つ浜岡原発

東日本大震災から15年。2回目の3月10日は原子力発電をめぐる状況と今後の課題を考えます。安全性は誰が保障するのか?原発に頼る街の今後は?いま、岐路に立っています。

中部電力・林欣吾 社長(1月5日):
心より深くお詫び申し上げます。本当に申し訳ございませんでした

2026年1月、中部電力は再稼働の前提となる安全審査で地震データの改ざんがあったことを明らかにしました。

福島の事故の教訓を軽視した行為はこれまで築いてきた地元との絆、信頼を失墜させました。

東日本大震災の津波で爆発事故を起こした福島第一原発。

菅直人 総理(当時・2011年5月):
浜岡原子力発電所のすべての原子炉の運転停止を中部電力に対して要請しました。国民の安全と安心を考えてのことです

当時の菅総理は“地震津波対策が不十分”と指摘して、浜岡原発の運転停止を求めました。

この時、中部電力は…。

中部電力・水野明久 社長(当時):
当社は内閣総理大臣からの要請は極めて重いと受け止めております。当社は皆さまの新たな不安を真摯に受け止め、安全最優先という原子力事業の基本を貫くべきであると判断しました

「不安を受け止める」「安全最優先」約束は守られませんでした。

震災後、原発をめぐっては立地や運転の条件、地震津波対策などが強化されました。

厳しい審査を終え、地元の同意を得た原発がいま稼働しています。

一方、浜岡原発で進んでいた安全審査は白紙に戻され、先行きはまったく見えない状態です。

高本圭市 記者:
浜岡原発の再稼働の見通しが立たない中、周辺の宿泊業に大きな影を落としています

民宿たけゆうの経営者・竹田哲矢さんは今後の宿泊客の増加に期待していたところでした。

民宿たけゆう・竹田哲矢さん:
去年の忘年会ぐらいから地元の人たちが「いよいよ始まるぞ」と。「泊まる場所をしっかり整えて対応できるようにしてくれ」と工事関係の人たちからしっかり言われていたところだった

原発関連の作業員の数はこれからどうなるのか。

まったく先は見通せません。

それでも、竹田さんは前を向きます。

民宿たけゆう・竹田哲矢さん:
いま、子供たちのスポーツ合宿とか受け入れていこうと頑張っているところで、宿泊施設自体は今後も続けていきたい

影響は市の施設にも。

御前崎市に建設された公共施設は原発が立地しているため得られる国の交付金などで多くが賄われてきました。

陸上競技場に市民プール。

いずれも建設から30年が経ち、老朽化が目立ち始めています。

こちらは1991年に建てられた市立図書館です。

蔵書の数は人口あたりで県内トップクラスですが、新たに蔵書を増やす予算は年々減少しています。

さらに…。

壁にはヒビが入っています。

天窓に張られたシートは交換を検討したものの、費用が膨大なため手が付けられていません。

本棚の上にはバケツ、天井にはシミが。

御前崎市立図書館・市川幸治 館長:
雨漏りがいつも雨が降るたびに酷い状態なので、バケツを置きながら、いま対策をしている状況で、毎回だがブルーシートをかけながら対応している状況

空調も不具合によって一部が稼働できておらず、いたるところに老朽化の影響が出てきています。

御前崎市立図書館・市川幸治 館長:
大規模な改修がいずれは必要になってくるとは思うが、いまの段階では財政状況も踏まえると優先的な修繕で賄っていくしかないところで、そういった(改修の)検討は必要だとは考えている

御前崎市の市税収入は2006年度の115億円余りをピークに、2024年度は約67億円まで落ち込んでいます。

産業や人をどう呼び込むか、地域の賑わいについて考えるのに加え、事故に対する備えをさらに進めていくことも必要です。

エネルギー事情・地域経済・安全性の確認。

行政や地元住民だけでなく、多くの県民が考えていくことが求められています。

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