「費用負担がなくて済むと考えること自体が安易すぎる。ずるい」 “冬”の富士山で滑落事故が連続 地元市長が怒り 冬期登山の禁止を訴える 「救助隊員は命懸け」 山頂の平均気温は4月に入ってからも-7.6℃

富士宮市・須藤秀忠 市長

開山期以外は登山道が閉鎖されている富士山で滑落事故が立て続けに発生したことを受け、静岡県富士宮市の須藤秀忠 市長は4月10日、冬期の登山を「禁止するルールを作らなければならない」と述べた。

「救助費用は個人負担にするべき。自己責任」 富士宮市長が怒りの提言 閉山期の安易な登山に苦言「甘く見ている。隊員も命懸け」 県知事は国に検討を進めてもらう考えを明らかに

富士山では4月に入り、滑落事故が立て続けに発生した。

6日には、ひとりで登山していたポーランド国籍の男性(31)が約200メートル滑落し、その後、静岡県の防災ヘリによって救助された。

また、このポーランド国籍の男性が「私の前を歩いていた日本人も滑落した」と話し、警察が調べたところ静岡県外に住む男性(30代)が遭難したと見られることがわかり、捜索した結果、9日に宝永第一火口で心肺停止状態の男性が見つかった。

これまでに身元は判明していないものの、警察が探していた男性の可能性が高いという。

こうした中、富士宮市の須藤秀忠 市長は10日の定例記者会見で、「非常に残念なこと。冬の富士山は大変危険で、終始一貫、登らないでほしい。市としては引き続き冬季登山の自粛の呼びかけや救助費用化の有償化の検討を県に求めたい。消防組織法の改正についても国会議員を通して国に求めていきたい」と述べた。

富士山の登山道は県道のため、閉鎖期間に通行した場合には6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処される可能性があるが、須藤市長は「県道(登山道)を通らなければ違反にならないと言う人がいる。そこに警戒を持っている。それで罪を逃れようとする登山者がいる」と指摘した上で、冬期の富士登山について「禁止するルールを作らなければならない」とも主張した。

須藤市長はかねてから冬期の富士登山について「言うことを聞かず、勝手に登っている。自己責任」と話し、「遭難すると人命を大事にするという見地から救助にいかなければならない。その費用は莫大なもの。隊員も命懸け。登山家からすると『山があるから登るんだ』『冒険するのが楽しみだ』ということになるが救助に行く方は大変。富士山を甘く見ている」として、救助費用を個人負担にするべきとの考えを明らかにしているが、10日の会見でも「『登山は自由である』と主張する(人もいる)が、遭難した時の救助費用は本人負担ではなく自治体負担。自分で持ってもらいたい。そういう覚悟をしてもらいたい。救助に向かう警察や消防の救助隊員は命懸けで救助に行く。二次遭難が起きる可能性は十分にある。市長としては危険を冒しての救助はできるだけ避けたい。遭難しても助けてもらうのに自分の費用負担がなくて済むと考えること自体が安易すぎる。ずるい。それではいけない」と、改めて有償化の必要性を訴えている。

地上では春らしい陽気の日も増えてきたが、富士山は厳冬期こそ過ぎたものの、山頂は4月に入ってからも最高気温の平均が-2.9℃、最低気温の平均が-12.0℃、1日の平均気温が-7.6℃と、まだ“冬”の状態が続いている。

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