体や心に不調を来す更年期症状。国内でも多くの女性が悩まされていると言われ、いまや個人だけの問題にとどまらず企業、さらには社会全体で考えるべき課題になりつつあります。
日本健診財団の調査によると、日本人女性の7割~8割が感じるとされる更年期にともなう体の不調。
このうち3割~4割の人は、日常生活に支障を来すレベルの症状に悩まされていると言われています。
女性:
不眠ですね。全然寝られず、この間シャクティマットを買った
女性:
汗が出やすくなったり、関節が痛くなったりし始めた
女性:
見た目でわかるわけではないので、理解は低いのかなと思う
経済産業省が2024年に公表した調査では、離職や欠勤、パフォーマンスの低下といった女性の更年期症状による経済損失は1.9兆円近いとも指摘されていて、いまや社会全体で取り組まなければいけない課題の1つとなりつつあります。
そもそも更年期症状はなぜ現れ、どんな症状があるのでしょうか?
庄司産婦人科・庄司潔 院長:
ホットフラッシュ。急に熱くなったり、汗をかいたりする症状。動悸が現れる人が多い。その後、精神的な不安や憂鬱感が出てくる
一般的に閉経を挟んだ、前後10年間を指す更年期。
この期間は女性ホルモンが大きく減少します。
その結果、ホルモンバランスが乱れ、頭痛やめまい、動悸に肩こりといった体の不調のほか、不安やイライラ、憂鬱を感じるなど心にも影響が現れます。
庄司産婦人科・庄司潔 院長:
(症状が)軽く、日常生活などに問題がなければ経過を見ていいと思うが、つらいと思うのであれば、婦人科の医療機関に相談すれば診察をして対策が取れるので、そう感じる人は受診をおすすめする
静岡県浜松市に本社を置く楽器メーカー大手のヤマハ。
社員のライフワークバランスを推進するため、病気やケガに限らず更年期症状や不妊治療など、様々な課題やライフイベントに対応した休暇、通称・ライフサポート休暇を8年前に導入しました。
ヤマハ 人事・総務部
藤原舞 主幹:
健康課題を個人任せにするのではなく、安心して相談ができて、職場としても適切な対策やケアにつながっていく環境を作りたくて始めた
さらに、2026年4月からは婦人科医のセミナーやオンライン診療を受けられる取り組みも始めていて、会社をあげて女性の健康課題に対する理解の促進を図っています。
社歴約30年の福見木綿子さん。
ヤマハ・福見木綿子さん:
走ったわけでも慌てたわけでもなく、普通に出社して席に座った瞬間、首の後ろから汗がすごい勢いで湧き上がる感じ
5年ほど前からホットフラッシュや発汗、喉の渇きといった更年期症状に悩まされています。
ヤマハ・福見木綿子さん:
プレゼンする時は集中するし、緊張する。そうすると話し始めた時に暑くなって
特に人前で話す時は症状が顕著に現れることから、プレゼンなどの際にはタオルを手放すことができません。
勤務はフルタイム。
2児の母として帰宅後には家事をこなしますが、ここでも度々、更年期症状に襲われるといいます。
ヤマハ・福見木綿子さん:
そういう(症状が出た)時はイライラする。いっぱい当たっていると思うが、しょうがない。暑くてもやらなければいけないもの(家事)はやらなければならない
ヤマハでは、ライフサポート休暇を1時間から取ることができますが、休暇の取得には周りの理解が不可欠だと話します。
ヤマハ・福見木綿子さん:
(更年期症状を感じる)立場になった人間としては、何か特別なことをしてもらいたいわけではないが、(周囲の)理解があると思えることで安心して(休暇を)取ることができるのではないかと思う。まずは制度があることを知ってもらい、その上でそういう人がいるということに理解を示してもらえればいい
一方、更年期は女性だけの問題ではありません。
NTTデータ経営研究所によれば、調査した40代~70代の男性515人のうち、半数近い46.6%が何らかの更年期症状を自覚しているという結果になりました。
かげやま医院・影山慎二 院長:
一番多いのは、やる気が起きない。だるい。体重が減少する。でもお腹は出てくる。もちろん性欲も落ちてくる
男性の更年期症状も女性と同じくホルモンバランスの乱れが原因ですが、一方で女性と比べて症状に気づきにくいとも言われています。
このため…
男性:
更年期の自覚症状?男性の更年期(症状)についてよくわからない
男性:
更年期…どんな症状があるんだろう
男性の場合、「発汗がひどくなった」「以前と比べて髭が伸びるのが遅くなった」といった体の面での変化や、イライラや憂鬱など心の変化で更年期症状をセルフチェックすることができるため、影山医師は原因がわからない不調に悩んでいる人は一度確認してみてほしいと呼びかけます。
かげやま医院・影山慎二 院長:
なにか症状がある、家族で最近急に調子が悪くなった人がいる場合はぜひ相談してほしいし、そういう相談ができる社会になるとうれしい
誰もが働きやすい職場を実現させるために…
企業としても制度を整えると同時に、男女問わず更年期に関する理解を広めていくことが今後の課題となっていきそうです。
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