
2025年5月11日放送
- 会場
- プティ森町園(周智郡森町)
- 講師
- 大豆生田啓友、平野ノラ
プロフィール
■大豆生田啓友(玉川大学教授)
1965年生まれ。青山学院大学大学院修了。専門は乳幼児教育、子育て支援。二男一女の父。
■平野ノラ(タレント)
1978年生まれ。2014年、バブリー芸人として大ブレイク。2021年に娘が誕生。一児の母。
第 2431 回
あなたらしくハッピーに ~子育て応援隊~
司会:
乳幼児教育の専門家・大豆生田先生と、タレントの平野ノラさんとともに、皆さんが元気に子育てできるようなお話をしていけたらと思います。まずは悩む方も多い【しつけ】について。
ノラ:
しつけは難しいですね。私はかなり甘やかしていると思います。ご飯を座って食べないといけないけれど、なかなかできない。でも、保育園で一応座って食べているから「まあいいか」と、全部が全部百点にはしていません。
大豆生田:
そんなに綺麗に子どもはコントロールできないので、様子を見ながら「こうかな、ああかな」としているぐらいがいいんだと思います。『わがまま』って『私のまま』、つまり自分らしくあるってことです。本来すごく大事なことで、自分のことをちゃんと受け止めてもらった子は、むしろ自分から切り替える力がつくようになっていくというのが発達の考え方です。好き勝手にさせたら、本当にもうとりとめもなく悪い子になっちゃうと思いがちですが、違うんです。
ノラ:
最近娘が「なんで?」ってよく聞くんです。理由を知りたがっていて、例えば「なぜ『早くして』って言われるのか」と聞かれた時に、「お仕事で遅刻しちゃうからちょっと早くしてくれたらすごく助かるんだけど」と答えると、案外やってくれたりするんです。しっかり向き合って説明した方が、結果早く進んだという成功体験でもありました。
大豆生田:
保育士さんもそこを大事にするんですね。「先生、○○ちゃんにこれしてるから、いまあなたにはできないけど、このあとするね」って言ったら、わかってくれる子が多いです。大事なところですよね。でも、親も毎日そんなに丁寧に見ていられない。「もういま無理」ってこともあるので、そういう時は「いま無理です」って言っちゃったっていいんです。親の状況も含めて子どもはわかりますから。そんな程度でいいんですよ。
司会:
ノラさんはハッピーな子育てのために大事にされていることがあるそうですね。
ノラ:
娘のオリジナルペースをよく見て、それに合わせるということをしています。例えば3歳まで授乳していましたが、「まだあげてるの?」と周りからのプレッシャーがすごくありました。でも娘が欲しがっているうちはいいよね、と。常に「何歳だから」とか「あの子はこれができる」とか、親は不安だから比べがちですけれど、我が子の成長をしっかり見る。そうすると親もそんなにしんどくないんです。
大豆生田:
子育てでは「私だけうまくいってないんじゃないか」などと思いがちですが、多くの親御さんたちは本当によく頑張っていらっしゃると思います。専門家の私でもいっぱい後悔があるんですよ。でも、過去を振り返るよりも、『いま』目の前の子どもと、子育てしている私のハッピーを大切にする。ウェルビーイング、幸せであることって、『いま』が満たされていると『その先』の幸せが生まれてくるんですよね。けれど、先回りして「子育てはこうあるべき」、「ここまでにこうさせなければいけない」が強すぎちゃうとイライラします。子どもも辛くなり辛い連鎖が起こってしまう。子育てには正解がないですから、是非いまのハッピーを大事にしましょう。