
2025年5月18日放送
- 会場
- テレビ静岡(静岡市)
- 講師
- タレント 勝俣州和
プロフィール
1965年生まれ。静岡県御殿場市出身。
1988年、番組オーディションを経て芸能界デビュー。アイドルグループCHA-CHAの一員としても活動。
現在はバラエティ、情報番組など多方面で活躍。
第 2432 回
人生を彩る旅
僕は仕事柄、日本全国、島にも行っていてもう日本4周ぐらいしていますが、やっぱり「旅っていいな」と思います。
【旅は誰と行くかで味わいが変わる】
一人旅もいいですが、他の人が計画した旅をすることで、自分だけでは体験できないことができるのも旅の良さですよね。
哀川翔さんと旅をしたときのことです。夜明け前に起こされ、日の出を見るのかと思ったら、「違うよ、カブトムシだ」って。カブトムシは日が出ると隠れてしまうから、早朝蜜を吸っているときが捕まえやすい。哀川さんいわく”匂い”でわかるそうで、1時間ほどでカブトムシ10匹にクワガタも捕まえました。どうするんですかと聞いたら、「逃がす」と。ただ捕まえて逃がすことが面白いのだそうです。60歳を超えた大人2人が小学校時代に戻れたというのは、哀川さんと旅をしたからなんですよね。
【母との旅】
僕は、両親が宮城県の仙台にある百貨店へ修行に行った時に生まれました。でも1年で地元の御殿場に帰ってきたので、仙台にいた時の写真が2枚しかないんです。それは、伊達政宗の像の前で赤ちゃんの僕を母が抱いている写真と、塩釜神社で親子3人で撮った写真です。
ある日、写真を見た母が「ここに行きたいの、もう一度」と言いました。その頃の母は80歳を超えていて、あまり外で歩くこともなくなり、歩行もちょっと困難でした。
「じゃあ、半年後に行こう。それまでに自分の足で歩けるようになってくださいね」と伝えると、母は毎日トレーニングしました。そして、自分の足で旅行をして、同じ場所で写真を撮ることができたんです。撮った瞬間になんかこう、涙が出てきましたね。「育ててくれて本当にありがとう」って。僕の人生の中で、すごく思い出に残る旅になりました。
【これからの旅】
結婚して23年になりますが、妻が「まだ結婚する前、恋人同士だった時にいろいろ旅したでしょ。そこに行きたいんだけど」って言ったんです。行った先々お店の方たちと今も付き合いがあるので、そこに行ってみようと話しました。「これから僕とあなたの旅はデートだね。あの頃の2人がいた場所に戻った時、何を感じるだろうね」って。だって今は2人じゃなくて息子も娘もいますから。それもまたいいなと思っています。
生まれ育った場所を“ふるさと”と言いますが、待ってくれている人や自分が会いたい人がいたら、そこがまた新しい“ふるさと”になるんじゃないかなって僕は思います。旅をすることで“ふるさと”が増えていく、これも僕が旅を好きな理由のひとつです。
大先輩のご夫婦に言われたことがあるんです。「私たち年を取って出不精にはなっているけれど、2人でいろんなところを旅したい」って。なぜかと聞いたら、「天国にお金とか宝石とか持っていけないでしょ。唯一持っていけるものってなんだと思う?思い出だよ」って。
皆さんも素敵な思い出を、皆さんの大好きな人と作って、人生という旅を豊かにしてください。