2024年6月30日放送

会場
テレビ静岡(静岡市)
講師
教育評論家 親野智可等

プロフィール

1958年静岡県生まれ。公立小学校で23年間教師を務める。
教育現場で親が子どもに与える影響の大きさを痛感。
教師としての経験と知識を子育てに役立ててもらいたいとメールマガジン「親力で決まる子供の将来」を発刊し、評判となる。

第 2388 回
しあわせ親子の言葉集

『しあわせ親子の言葉集』ということで、お父さん、お母さんの不安がスーッと消える、気持ちが楽になるような言葉を紹介します。


【子どもがもっとかわいくなる言葉】

『 子どもの靴下をはかせてあげる ボタンをはめてあげる
ご飯をよそってあげる 髪をとかしてあげる
丸つけをしてあげる あと何回できるのかな? 』

子育てはやることが山ほどあります。親も元気な時はいいですが、疲れていることもありますよね。なかなか笑顔でできないこともありますが、エンドレスではなくいずれ終わる時が来て、いつの間にか「最後の一回」というのがあるわけです。してあげられる時をエンジョイしてやってあげてほしいなと思います。


【「叱ってばかり」がなくなる言葉】

『 子育てで いつも笑顔でいるのは無理
イライラするなと言っても無理
ただし 自分のイライラに気づいていることは大事
気づいていれば 子どもにぶつけずにすむ 』

そうは言っても大人だってイライラすることはあって、いつも笑顔でいるのは難しいですよね。ただ、「イラッとしたな」と自分で気づくと、「イライラ」にまでいかず、「イラ」で終わります。大事なのは、自分をもう一人の自分が客観的に見ている「メタ認知」、「自分は今こういう状態だ」と認識しているということです。すると飲み込まれなくて済みます。イラッとした瞬間に自分で気づかないと、そのまま切れて叱りつけてしまったりということになってしまうわけです。とりあえず深呼吸してみるとか、ちょっとだけ間を空けてみてください。


『 「どうして」を「どうしたら」に変えよう
「どうしてけんかするの?」→「どうしたら仲良くできるかな?」
「どうして片づけないの?」→「どうしたら片付くかな?」
「どうして忘れるの?」→「どうしたら忘れないかな?」 』

親は子どもを叱る時に「どうして?」「なんで?」と、疑問形で言ってしまいがちです。子どものしょうもない姿を見てイラッとさせられ、その不満を解消するために疑問形にして相手を問い詰めることで、溜飲を下げているのです。本当は理由を聞きたいわけではなく、相手をやり込めるための言葉なのです。責められている感じがして子どもも冷静に考えられないので、「どうしたら?」に変えてみましょう。


【自分へ贈る言葉】

『 結果を求めず 人と比べず
自分にできることを 楽しみながら
感謝しながら行えば それでいい 』

「結果を求めず」というのが大事です。親は自分が「ダイエットするぞ」「資格を取るぞ」と頑張り、苦しければ途中でブレーキをかけることができます。でも、「子育てや教育で結果を出すのは子ども」ですから、「ダメでしょ!」「こうしないと!」と言ってしまうと、子どもがどれだけ苦しいかということが分からずにブレーキが効かなくなってしまいます。「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があります。結果を求めないと決めたからには、あとは子供のために環境を整えたり工夫したりできる、そのこと自体を親として楽しみ、感謝しながら行い、過ごしていけたらいいですね。

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